近年、企業の多くがDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めています。その一環にはペーパーレス環境の構築があり、積極的な企業は既にペーパーレスへと移行していることでしょう。この記事は、まだペーパーレス環境を導入されていない企業の方に向けてお送りします。ペーパーレスによって得られるビジネスメリットを、是非ご確認ください。
ペーパーレス導入から得られる代表的なビジネスメリット
ペーパーレスによる代表的なビジネスメリットは以下の3つです。
- 生産性向上
- コスト削減
- 環境への配慮とCSR
以下、これらのメリットについての詳細を、それぞれ紹介します。
生産性向上
ペーパーレス環境では、デジタルデータの積極的な活用により、業務プロセスが大幅に効率化されるというメリットがあります。このメリットは、企業の生産性向上にも繋がるでしょう。実は、この変革にはいくつかの重要な側面があるのでひとつずつ紹介します。
デジタル文書は検索や共有が容易
まず挙げられるのは、「デジタル文書は検索や共有が容易」という点です。たとえば、特定の文書や情報を物理的なファイルから探し出すのは大変でしょう。
一方、デジタルなら検索機能によって瞬時に必要な情報を取得できます。文書や情報をデジタル化しておくことで、それらを探す時間を一気に短縮できるのです。従業員は、より効果的に業務に取り組むことができます。
複製が容易
さらに、デジタルデータの特長として複製が容易である点も挙げられます。紙の文書のように物理的な制約はないので、必要な数だけ複製することが可能です。そうすることで、複数の拠点やチームとの連携がスムーズに行えるようになることも、少なくありません。
また、情報の上書きが簡単なため、常にリアルタイムでの最新情報を共有しやすくなります。プロジェクトの進捗管理などに役立つでしょう。
効果的な情報共有は、企業内のコミュニケーションにも良い影響を与えます。従業員同士の協力体制が柔軟になれば、生産性の向上や業務プロセス全体の効率化、最終的には企業の競争力の向上にも繋がるのです。
コスト削減
従来の紙文書でのデータ管理では、印刷や文書保存に膨大なコストが発生していました。用紙そのものの代金はもちろん、印刷のための機器の購入やメンテナンスには相応の経費が必要です。
印刷機にはランニングコストもかかりますし、ファイリングシステムの保守や保管庫の維持にも多額の予算が充てられていました。
しかし、ペーパーレス化を行えば、これらにかけてきたコストを大幅に削減できます。印刷に関する費用もファイルを管理する保管庫も不要です。
ペーパーレス化によってコストを削減できれば、節約された予算を他の重要な領域に投資することもできます。たとえば、新しい技術の導入や従業員のスキル向上のためのトレーニングプログラムなど、より戦略的な投資が可能になるのです。
環境への配慮とCSR
ペーパーレスの導入は、企業の環境への社会的責任(CSR)への取り組みとしても高く評価されています。
まず、紙の使用削減そのものが、環境への積極的な取り組みと考えられています。伐採された木材が紙の原料となりますが、ペーパーレスの導入によりこれらの資源消費は減少するでしょう。森林資源の保護だけではなく、生態系への影響も軽減できます。また、紙の製造や輸送、廃棄に伴うエネルギー消費も削減できるので、炭素排出の低減にも貢献できるのです。
企業がペーパーレス化をCSRの一環として採用することで、環境への配慮に対する積極的な姿勢をアピールできます。ステークホルダーや顧客からの共感を得やすくなるため、企業のブランド価値や信頼性の向上、市場競争における差別化などにも、良い影響を与えます。
ペーパーレス導入の際の注意点
ここまで紹介してきたとおり、ペーパーレス化にはビジネスメリットがたくさんあります。一方、ペーパーレス化する際には、慎重な計画と注意が必要であることも忘れないでください。以下、ペーパーレス導入時に留意すべきポイントをまとめました。
- データセキュリティの確保
- 従業員達とのコミュニケーション
- トレーニングとサポート
- 法的規制とコンプライアンス
- システムの選定と適応性
- データのバックアップと復旧計画
データセキュリティの確保
デジタルデータはセキュリティ上のリスクを伴います。従業員や重要な業務データがハッキングや不正アクセスから守られるよう、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。具体的には、強固なパスワードや暗号化技術の導入などが必要です。
従業員達とのコミュニケーション
ペーパーレス導入には組織全体の合意と理解が必要です。従業員への説明はきちんと行いましょう。オープンなコミュニケーションとフィードバック収集によって、導入はスムーズになります。
トレーニングとサポート
従業員達から合意と理解を得られたら、彼らがシステムを使いこなすためのトレーニングも行っていきましょう。導入直後のトレーニングだけではなく、運用後のサポートも積極的に行っていきましょう。
法的規制とコンプライアンス
法的規制やコンプライアンスへの適合は非常に重要です。業界や地域によって法的要件が異なることもあるので、データや資料の取り扱いには十分に注意しましょう。電子署名やデジタル認証を活用することで、法的効力を確保します。また、データの保持期間や廃棄手順などの確認も大切です。
システムの選定と適応性
業務プロセスやニーズに適したソフトウェアやツールを選無ことが重要です。また、システム選定する際は、将来的な拡張やアップグレードも考慮してください。
データのバックアップと復旧計画
ペーパーレス環境ではデジタルデータが中心となるため、データの損失やシステム障害に備えたバックアップと復旧計画を策定します。定期的なバックアップの実施や災害時のデータ復旧手順を確立しておくことが大切です。
ペーパーレス導入に向けての具体的な手順
では、ペーパーレス導入に向けての具体的な手順を紹介しましょう。効率良くペーパーレスに移行できるように、以下のステップを参考にしてください。
1:システムの選定
まずは適切なソフトウェアやツールの選定です。非常に大事な部分なので慎重に、十分な時間をかけて行ってください。実際に利用する従業員達の意見を取り入れると、失敗しにくいでしょう。
2:データのデジタル化
既存の紙文書をデジタルデータに変換する際は、全ての文書を一度にデジタル化するのではなく、段階的に行うことが重要です。優先度の高い文書やプロセスから始めれば、業務への影響を最小限に抑えられます。
3:本格的な導入前の準備
セキュリティポリシーの確立や従業員達へのトレーニングを行います。トレーニングを行った従業員達からはフィードバックをもらい、必要に応じた調整を行うことも忘れないでください。
4:モニタリングと改善
システムの導入後は継続的なモニタリングが不可欠です。従業員の利用状況やシステムのパフォーマンスを定期的に評価し、問題点や改善の余地があれば適切に対応します。
上記のステップを踏め、スムーズにペーパーレスへと移行しやすいでしょう。慎重な計画と段階的なアプローチを強く意識してください。
ペーパーレス化の実現のために有効なサービス
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ペーパーレス:まとめ
ペーパーレスを導入することで、生産性の向上、コスト削減、企業イメージのアップなどさまざまなビジネスメリットを得られます。企業のDX化の中では、比較的取り組みやすいもののひとつとも言えるでしょう。まだ、ペーパーレス化に乗り出していない企業の方は、是非この記事の内容を参考に取り組んでみてください。