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給与計算のやり方が一目でわかる 基礎知識と手順

経理・財務システム
経理・財務システム

給与計算は一般的に社内の人事、経理または総務の担当者が行います。ミスが許されない業務のひとつであり、担当者が把握しておかなければならないことも多い仕事です。本記事では、給与計算の基礎知識と、実際にどのように進めるかの手順をわかりやすく解説します。

給与計算の基礎知識

給与計算は下記の構成要素によって成り立っています。

  • 基本給: 従業員の基本的な労働に対する報酬
  • 各種手当: 通勤手当や住宅手当
  • 時間外労働手当 (残業代): 法定労働時間を超えた労働に対する報酬
  • 控除項目: 貸付金返済や食事代

法定控除と任意控除

法定控除とは法律上必須の控除額です。主に下記が含まれます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 社会保険料

任意控除とは、社内で利用される任意的な控除項目です。たとえば、社内積立金や社宅費控除、保険料などがこれに属します。

給与計算で必要な情報

給与計算を正確に行うためには、下記の情報を準備する必要があります。

  • 従業員の基本情報: 氏名、住所、扶養人数など
  • 労働時間の計測データ: 労働時間、残業時間、休暇日数
  • 最新の税率や保険料率: 法令改正に配慮した最新情報

給与計算の具体的な手順

給与計算は複雑な作業ですが、適切な手順を踏むことで正確かつ効率的に行えます。

以下では、給与計算の6つのステップを実例を交えて詳しく説明します。仮の従業員Aさんの給与を実際に計算していきましょう。

ステップ 1: 労働時間の集計

まず、従業員Aさんの勤務時間を正確に集計します。

  • Aさんの1か月の勤務記録
    • 出勤日数:20日
    • 1日の所定労働時間:8時間
    • 残業時間:10時間
    • 日曜出勤:1日

具体的なポイント

  • 出勤時間や退勤時間は、タイムカードや勤怠管理システムを活用して正確に記録します。
  • 残業時間の計算では、労働基準法に基づく割増賃金率(25%~50%)を確認しましょう。

ステップ 2: 総支給額の計算

次に、基本給に各種手当や残業代を加算して総支給額を算出します。

  • 基本給:200,000円
  • 残業代(割増率25%):10時間 × 1,500円 × 1.25= 18,750円
  • 日曜出勤手当(割増率35%):8時間 × 1,500円 × 1.35 = 16,200円
  • 通勤手当:10,000円

総支給額の計算:200,000円 + 18,750円 + 16,200円 + 10,000円 = 244,950円

ステップ 3: 控除額の計算

控除額には、法定控除(法律で義務付けられたもの)と任意控除(個別契約や制度によるもの)があります。

法定控除の計算例

  • 所得税:10,500円(扶養控除や基礎控除を考慮して、国税庁の『源泉徴収税額表』に基づいて計算)
  • 社会保険料(健康保険+厚生年金+雇用保険):35,000円

任意控除の例

  • 社内積立金:5,000円
  • 従業員ローン返済:8,000円

総担引額の計算:10,500円 + 35,000円 + 5,000円 + 8,000円 = 58,500円

ステップ 4: 差引支給額の総計

差引支給額は、総支給額から控除額を引いたものです。

例:244,950円(総支給額) − 58,500円(担引額) = 186,450円

これが従業員Aさんに支払われる手取り額です。

ステップ 5: 給与明細書の作成

給与明細書には、各項目を明確に記載します。

項目金額
基本給200,000円
残業代18,750円
日曜出勤手当16,200円
通勤手当10,000円
総支給額244,950円
所得税−10,500円
社会保険料−35,000円
任意控除−13,000円
差引支給額186,450円

給与明細書を作成し、従業員に配布する際は、データ管理や印刷・封入の手間を減らすため、専用ソフトを活用するのも有効です。

ステップ 6: 銀行振込手続き

最後に、差引支給額を従業員の指定口座に振り込みます。

具体例

  • 支払日:毎月25日
  • 振込先:従業員の銀行口座情報を給与計算ソフトからエクスポート。
  • 振込手続き:オンラインバンキングで一括振込を実施。

注意事項

振込額が正しいか、手続き前にダブルチェックを行いましょう。また、銀行の手数料も考慮して経費管理を徹底します。

よくある給与計算のミスと対策

続いて、給与計算を行っている最中に出やすいミスと対策を紹介します。

計算ミス

  • 原因:残業時間や控除額の計算に誤りがある場合が多いです。とくに、手動で計算を行う際にミスが発生しやすいです。
  • 対策:給与計算ソフトを導入して、自動計算機能を活用することでミスを防ぎましょう。また、複数の担当者で確認する「ダブルチェック体制」も有効です。

税率や保険料率の更新漏れ

  • 原因:法改正や保険料率の変更に対応できていない場合に発生します。正しい額が控除されていないと、後から修正が必要になるケースがあります。
  • 対策:定期的に税務署や社会保険労務士からの情報を確認し、最新の情報を反映させましょう。給与計算ソフトを利用している場合、自動更新機能がついているものを選ぶと便利です。

従業員情報の入力ミス

  • 原因:住所、扶養人数、銀行口座情報などの基本情報が間違っている場合、給与計算に影響を及ぼします。
  • 対策:情報入力時に従業員本人に確認してもらい、変更があれば速やかにシステムに反映しましょう。

締切に間に合わない

  • 原因:給与計算の手順が不明確だったり、必要なデータが揃っていなかったりすることが原因です。
  • 対策:給与計算のスケジュールをあらかじめ設定し、各担当者に役割を明確に伝えましょう。締切前に一度仮計算を行うことで、リスクを軽減できます。

給与計算を効率化するための4つのポイント

人件費を計算する経営者のイメージ画像

給与計算を効率化するためには以下の4つのポイントを押さえると良いでしょう。

ポイント1:労働時間管理システムの導入

正確な勤怠データが給与計算の基盤となります。クラウド型の勤怠管理システムを活用することで、労働時間の集計を自動化できます。

ポイント2:社内教育の実施

担当者が給与計算に必要な知識を正確に把握していることが重要です。定期的な研修を実施し、法令や手続きの変更点を共有しましょう。

ポイント3:専門家への相談

給与計算は法的な知識が求められるため、社会保険労務士や税理士に相談することもおすすめです。とくに、法改正への対応や海外駐在員の給与計算などの複雑なケースについては専門家の助言が役立ちます。

ポイント4:クラウドサービスの活用

クラウド型の給与計算ソフトは、最新の法令に対応しており、複数の担当者でデータを共有できるため効率的です。

給与計算に役立つサービス

ここでは給与計算に役立つサービスを紹介します。よかったらご検討ください。

(株)ミロク情報サービス

Edge Tracker

勤怠・経費・給与などの管理を効率化する業務管理システム

「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」など豊富なビジネスプロセスモジュールを搭載しています。企業の成長に合わせた柔軟なシステム構築が可能です。

メリービズ(株)

バーチャル経理アシスタント

全国1,000名以上のプロ経理人材がオンラインで業務代行!

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給与計算のやり方:まとめ

この記事では給与計算のやり方について紹介しました。

給与計算は複雑な業務ですが、正確かつ効率的に行うことで従業員の信頼を得ることができ、会社の運営にも好影響を与えます。本記事で紹介した基礎知識や手順、ツールの活用法を参考に、自社の給与計算プロセスを見直してみてください。

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