企業のBCP対策:これからのDX時代のための安全ネットとは

総務ソリューション
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近年、ビジネス界はあらゆる面で大きな変化を強いられています。これからの時代に対応し生き残っていくためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)が不可避でしょう。

このような時流の中でBCP(Business Continuity Plan)の重要性がクローズアップされているのは、ご存知でしょうか。本記事では、BCPがDX時代においてどのような役割を果たし、新たなリスクと機会にどのように対応するかを探ります。

BCP(Business Continuity Plan)とは

BCPとは

BCP(Business Continuity Plan)とは、企業がさまざまな災害や緊急事態に備え、業務の継続性を確保するための戦略的な計画です。ここでいう災害や緊急事態とは具体的には、自然災害、サイバー攻撃、経済的な変動などのさまざまなリスクのことを指します。

これらのリスクに対処するための対策であるBCPは、従業員の安全確保だけではなく、情報資産の保護やシステムの復旧、顧客とのコミュニケーションの確保など、総合的にリスクを回避するためのアプローチです。

BCPの計画を策定し、定期的なトレーニングや評価を行うことで、企業は予測できない状況にも迅速かつ効果的に対応できます。また、持続可能な事業運営を確保しやすくもなるでしょう。BCPは現代のビジネス環境における不可欠なツールです。DXの時代においても、事業の安定性と成長を実現するための基盤となっています。

BCPの進化

BCPの進化

BCPは企業の存続性に大きく関わるものですから、以前から存在していました。しかし、BCPは時代に合わせて進化し続けていることも忘れてはいけません。

現代のBCPは、現代の急速なテクノロジー変化と緊急事態に対する新たな認識に基づいて進化しています。時代と共に企業が相対する可能性のあるリスクも変化しているため、DX時代のBCPにはこの時代が抱えるリスクに適応する柔軟性が求められているのです。

一般的に、昔ながらのBCPは地震や火災といった主に物理的な災害に焦点を当てていました。一方、今日の企業が「より大きなリスク」と捉えているのは、サイバー攻撃やデータ侵害などのデジタルリスク関連です。それならば、BCPもサイバー攻撃やデータ侵害などのデジタルリスクに備えなければなりません。もちろんそのためには、新たな戦略が必要です。

サイバーセキュリティの見直しを

DX時代のBCPではサイバーセキュリティの向上が不可欠であり、組織はセキュリティプロトコルの見直しや従業員の教育を通じたサイバー脅威に対する感受性を高める必要があります。

さらに、多くの企業や組織から注目されているのが、データの保護です。近年ではデータの重要性が非常に増しています。そのため、保護されるべきデータ保護されない環境になってしまうと、企業は身動きが取りづらくなってしまいます。バックアップ戦略やセキュアなクラウドストレージの導入など、データに関する新しい対策を考える必要があるでしょう。

要するに、BCPを推進するのであれば、新たな時代に適応したものである必要があります。従来の手法を踏襲するのはもちろんですが、プラスアルファとしてデジタルトランスフォーメーションの要素を取り入れて、継続的な進化を遂げるべきです。そのような対策を行うことで、変化するビジネス環境においても事業の持続性を確保し、組織を安定的に成長させることができるようになります。

安全ネットの構築

BCP 安全ネット

安全ネットの構築は、企業の経営者や管理者にとって極めて重要な戦略です。この構築には複数の要素が組み合わさり、DX時代における業務の安定性と情報資産の保護が求められます。

最初に挙げられるのは、クラウド技術の積極的な活用です。クラウドは柔軟性を提供し、業務の継続性を向上させる効果があります。リモートワークの増加や急激な変化にも対応できますし、スケーラビリティも高まります。クラウド技術の積極的な活用によって、従業員は柔軟かつ迅速に業務を継続でき、企業は安全性を確保しながらも生産性を維持できます。

データは企業における資産

次に重要なのはデータの冗長性とリカバリープランの策定です。データは現代のビジネスにおいて重要な資産でしょう。万が一、データを損失してしまった場合は甚大な影響を及ぼします。冗長性を確保し、定期的なデータのバックアップを行うことでデータ喪失のリスクを最小限に抑え、業務の安定性を確保できます。

最後に、サイバーセキュリティ対策の強化です。近年ではサイバー攻撃の脅威も増加しているため、強固なセキュリティ対策を構築し、不正アクセスやデータ漏洩から企業を守ることが不可欠です。サイバーセキュリティ対策の強化により、企業は信頼性を確保できるため、クライアントやステークホルダーに対しても安心感を提供できます。

デジタルトランスフォーメーションとの統合

BCP DX化

DX戦略とBCPをそれぞれ単独で考えるのではなく、両者を統合することが企業の経営者や管理者には必要な考えです。そうすることで、ビジネス界の大きな変化にも柔軟かつ迅速に対応できるようになるでしょう。

DX戦略とBCPの統合においての重要な視点は、イノベーションと安全性が矛盾するものではなく、むしろ共存すべき要素であるという認識です。

重要なのはイノベーションと安全性のバランス

イノベーションを追求することで、企業は競争優位性を築くことが可能です。一方、安全性を確保することでリスクを最小限に抑えることができます。デジタル時代の経営者や管理者は、このバランス感覚を持つことが求められるのです。

柔軟性と革新性の同時追求が重要である理由は、ビジネス環境が急速に変化し、新たなテクノロジーやビジネスモデルが次々と登場するからです。DXは変革の機会を提供しますが、同時に新たなリスクも生み出します。そのため、変化に対応できる柔軟性と、新たなリスクに対するセキュリティ対策が不可欠です。

BCP:未来への展望

BCP リスク

BCPは、これからのビジネスにおいてますます重要性を増していくことでしょう。とくに、人工知能(AI)やインターネット・オブ・シングス(IoT)の進化がビジネスに与える影響は非常に大きく、AIやIoTの進化による新たなデジタルリスクも生まれています。

これらのリスクに対応するためには、BCPの戦略を柔軟に見直し、持続的な変化に適応できるようなアプローチが求められるでしょう。もちろん、それぞれの企業でこれまで築いてきた経験や計画はもちろん大事です。しかし、それだけではなく将来的なデジタル環境の変化に対応する柔軟性を確保することが必要です。

将来的なBCP戦略で重要なのは、革新的な技術を組み込むことです。AIやIoTを活用すればデータのリアルタイムな監視や分析を行えるようになるため、早期にリスクを検知し対処することが可能となります。ただし、新たなテクノロジーを導入する際には、導入に伴うリスクと対策を含めた包括的なアプローチが求められることも忘れてはいけません。

BCP戦略のためのおすすめサービス

BCP おすすめサービス

もしも自分達だけでBCP戦略を行うのが不安なら、外注のサービスを利用する手段も考えられます。おすすめのサービスを紹介するので、よかったらご検討ください。
※これらの製品情報の閲覧には「DXPOオンライン会員登録」が必要です。

関西電力(株)

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「想定外」に備えるBCP対策

BCP対策をしたいが何から取り組めばよいか分からない方や、最新のBCP対策が知りたい方に向けて「想定外」 に備える防災対策として、「かんでん総合防災サービス」をご紹介いたします。

関西電力(株)

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まとめ

BCP DX

BCP対策は企業の安定的な成長に欠かせません。とくにDX時代においては、柔軟性と革新性を兼ね備えたBCPが不可欠となるでしょう。これからBCP対策に力を入れようとしている企業の方は、是非この記事での内容を参考にしてください。

<この記事の執筆者>
DXPOカレッジ編集部(DXPOオンライン事務局内)

DXPO(読み:ディーエクスポ)は2022年夏にスタートした、DX分野日本最大級のBtoBハイブリッド展示会(リアル展[東京・大阪・福岡]+オンライン展)です。DXPOオンラインは、IT製品約460点※が出展、登録会員数44,000人以上※を数える、IT製品・サービスの比較・見積・マッチングサイトで、製品導入の比較検討に役立つ情報や、DXにおける課題解決のヒントを『DXPOカレッジ』として発信しています。(※24年3月時点の数値)

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