展示会成功のための完全ガイド:中小企業が知るべきKPIとアクションプラン

展示会を成功させるためのアクションプラン デジタルマーケ・SNS運用
デジタルマーケ・SNS運用

展示会はビジネスチャンスを広げる重要な機会ですが、成功させるためには戦略的な準備と実行が欠かせません。この記事では中小企業のマーケティング担当者や展示会に出展を考えている経営者の方々に向けて、展示会の成功に導くための実践的なガイドをご紹介します。

展示会における成功とは

成約につながる展示会

展示会に出展する際、企業の目的はさまざまであり、それぞれの企業によって「成功」の定義は異なります。

  • ブランド認知度の向上
  • 新規顧客の獲得
  • パートナーシップの構築
  • 製品やサービスの詳細な紹介

一般的には上記のいずれかを「展示会に出展する目的」とする企業が多いのですが、まずは展示会での目標を明確に設定し、それに応じた戦略を立てることが重要です。できれば「展示会に出展する目的」はひとつに絞ると良いでしょう。目標が多すぎると、その分戦略が複雑になってしまいます。やむをえなく複数の目的を設ける場合でも、優先順位をつけてください。

展示会前の準備

展示会への出展が決まったら以下の準備を行います。

  1. KPIの設定
  2. 出展意図とコンテンツのテーマ決め
  3. 効果的なブースデザインとレイアウト
  4. SNSでの事前告知や案内メール
  5. 運営スタッフの環境の整備

展示会の準備1:KPIの設定

事前にKPI(重要業績評価指標)を設定し、それに基づく具体的な行動計画を立てることが成功への第一歩です。たとえば、名刺交換の枚数や商談の成立数、アンケート回収数、リードの質などの指標を設定しておけば、数値で成功の度合いを明確にすることができるでしょう。費用を支払い、ブースで立っているだけでは時間が無駄になるので、効率的に展示会を活用してください。

設定の具体例

たとえば、昨年の展示会での名刺交換数が100枚であった場合、今年は150枚(成約数10%)といった具体的な目標を立て、名刺交換しやすい展示会施策を考えましょう。

展示会の準備2:出展意図とコンテンツのテーマ決め

 

目標が定まれば、次はテーマを設定することが重要です。テーマが決まることで、目標やプラン設計がより具体化できます。来場者の関心を引くために、自社の強みを最大限に引き出す展示方法を考えましょう。

たとえば「日常に寄り添う最新技術」を強調するのであれば、その技術のデモンストレーションや生活を絡めた成功事例を中心にブースコンテンツを展示するのが効果的です。

開示する情報の範囲を事前に決めておく

展示会では機密情報や企業の戦略に関する情報が流出するリスクがあります。事前にどの情報を開示するかを決め、必要に応じて撮影禁止の札などで情報の流出対策を講じましょう。認知を目的にした出展であっても、ライバル企業に製造元や技術開示をしても良いのかなど、どこまでの情報を公開するのか会期前に改めて決めておくことでトラブルを回避することができます。

予算の管理と必要なリソースの確保

必要となるコンテンツが決まれば、必要な備品や展示物、スペースの把握、必要人員数などおのずと決まり、費用を算出できます。

また、展示会自体の費用は規模や場所や施工内容によって異なります。ブースのレンタル料や装飾費用、交通費、宿泊費と、相場を調査し予算内で必要なリソースを確保することが重要です。展示会の規模に応じた予算計画を立て、費用対効果を最大化に向けて準備を進めましょう。

展示会の準備3:効果的なブースデザインとレイアウト

ブースデザインは来場者の第一印象を決める重要な要素です。たとえば、明るく清潔感のあるデザインや、ブランドカラーを使った装飾でサービスを印象づける事が効果的な場合もあります。レイアウトも重要で、目的に合わせ来場者が自然にブースに入ってくるような配置を心がけましょう。

また、スタッフの人数や服装もブースの印象を左右します。サービス業であれば、ブランディングを兼ねたスタッフ共通のウェアが好ましく、一方、商談重視の場合はスーツなどビジネスライクな服装が適しています。当日のスタッフの服装もイメージを伝えるツールとして活用しましょう。

ブース内での案内ツールの準備

ブース内の装飾や案内ツールは、来場者に必要な情報をスムーズに提供するために重要です。たとえば、ブースから離れた通路を歩く人にわかるよう大型パネルの設置や、商談時に使用するパンフレットやカタログ、名刺入れなどを事前に準備し、展示会での情報提供を効率的に行いましょう。

また、展示会では機密情報や企業の戦略が流出するリスクもあります。必要に応じて「撮影禁止」のPOPを作成するなど、訪問者に不快感を与えずに情報流出対策を講じましょう。

QRコードの活用も考慮

最近では、QRコードを活用してカタログデータを配布する手法もよく使われています。この方法は、物理的な配布物を減らしながら、効率的に情報を提供するのに役立つだけでなく、来訪者の情報を取得することができ、展示会の効果的なアフターフォローにも繋がります。

また、国際的な展示会であれば、英語など来場者の国籍を想定した言語での配布物による案内や、多言語が話せるスタッフを配置するなどで対応しましょう。

展示会の準備4:SNSでの事前告知や案内メール

展示会告知

展示会の成功には事前の告知が重要です。SNSでの告知や案内メールを活用し、ターゲットオーディエンスに出展情報を届けましょう。

たとえば、展示会の開催日やブース位置、展示内容の一部を事前に発信することで、来場者の興味を引きつけることができます。「偶然知ってもらえた」ではなく、知ってもらう確率を上げ、さらには商談時の成約率を上げる為に告知の計画を立てましょう。

展示会の準備5:運営スタッフの環境の整備

展示会中は長時間にわたることが多いため、スタッフの運営環境も整えておく必要があります。服装や履物を含め、ストックルームや食事の買い出し、休憩のためのスペースを確保や把握をしておくなど、スタッフが快適に働ける環境を整えましょう。また、混雑が予想される場合は、整理券を配布するなどスタッフや来場者の負担を軽減する対策を講じましょう。

スタッフの役割分担とトレーニング

展示会中の運営には、役割分担が必要です。各スタッフに具体的な役割を割り当て、事前にトレーニングを行っておくことができれば理想的です。たとえば、受付担当、商談担当、デモ担当など、急遽のトラブルに対応できるよう、役割ごとに必要なスキルを身につけることが重要です。

来場者を引きつけるためには、魅力的なプレゼンテーションやデモンストレーションも大切ですが、機会損失を防ぐために、担当者不在の際や対応中の際に「繋ぎ」の役割をする担当者を決めておくと良いでしょう。

スタッフ全員が共通意識を持つことが大事

せっかくの優れた製品やサービスの展示会プランがあっても、スタッフの認識がずれていては意味がありません。たとえば、認知度向上を狙う場合でも拡散する仕掛けがなく、製品やサービスに関連性のないノベルティをただ配布するだけでは、費用対効果が低くなる可能性があります。

準備段階から、展示会に参加するスタッフ全員が展示会の目的をきちんと把握することが重要です。その上で一致した行動をとれば、来場者に対してより効果的なアプローチができます。

展示会中の運営:ビジネスに直結させる4つの商談テクニック

展示会中に商談を成立させられれば、それは大きな成功のひとつと言えるでしょう。続いては、展示会当日の商談で役立つ4つのテクニックを紹介します。

  1. 商談は座って行う
  2. 顧客のニーズを正確に聞き取る
  3. カスタマイズされた提案を行う
  4. 次のステップを明確にする

商談テクニック1:商談は座って行う

「立ち話もなんですから…」というセリフは、立ち話が失礼とされる文化的背景に由来しています。商談や重要な話は座って行うのが礼儀とされていたため、相手を座らせることで敬意を示し、話が重要であると伝えます。これにより、訪問者はより真剣に話を聞き、深いコミュニケーションが生まれやすくなります。商談席の準備と案内は、単なる形式ではなく、相手への配慮と真剣さを示す手段となり、双方にとってより有意義な対話が生まれる可能性が高くなります。

商談テクニック2:顧客のニーズを正確に聞き取る

商談の最初に、顧客のニーズや期待を明確に把握するための質問を行いましょう。具体的には、「現在の課題は何ですか?」や「何をお探しですか?」などのオープンクエスチョンを活用します。相手の話をしっかりと聞き、適宜確認やフィードバックを行いながら、顧客が何を求めているのかを正確に把握します。この段階でニーズを的確に理解することで、提案がより的を射たものになります。

展示会成功の為のプラン 商談席

商談テクニック3:カスタマイズされた提案を行う

顧客のニーズを理解したら、それに応じた具体的かつカスタマイズされた提案を行います。汎用的な説明ではなく、顧客の課題に対して自社の製品やサービスがどのように貢献できるかを具体的に説明します。このとき、数字やデータを用いて効果を示すと説得力が増します。また、実際に製品を手に取ってもらったり、デモンストレーションを見せたりすることで、提案の具体性を高めましょう。

疑問や懸念には丁寧に対応

質問に答える際には、相手の不安を解消するために、具体的な事例や過去の成功事例を挙げると効果的です。顧客の懸念に対して真摯に向き合い、丁寧に説明することで、信頼関係を深め、商談を前進させることができます。

商談テクニック4:次のステップを明確にする

アンケートの競合調査

商談の締めくくりには、次に取るべき具体的な行動を明確にしましょう。たとえば、「近日中に見積もりをお送りいたします」「次の週にもう一度ご連絡いたします」など、具体的なフォローアップの計画を提案します。このとき、可能であればその場で次回の打ち合わせの日程を決めてしまうのがベストです。商談後の行動が明確であれば、顧客が席を立つときには、次のステップに向けた確実な期待感を持ってもらえます。

アンケートデータなどの情報収集

商談と並行して来場者へのアンケートも積極的に行っていきましょう。来場者からのフィードバックは、今後のマーケティング戦略や製品改良に役立ちます。たとえば、来場者がどの製品に興味を持ったか、どのような情報を求めているかが把握できれば製品開発に活用することができます。

展示会後のフォローアップ

継続的な関係構築

展示会後のフォローアップは成功を確実にするために重要です。会期を終えた後の迅速なお礼メールやフォローアップは関係性を深め、成功を確実にするために重要です。収集したリード(見込み客)を管理し、適切に追跡することで、商談や契約のチャンスを逃さないようにしましょう。たとえば、リード情報をCRMシステムに入力し、定期的にフォローアップのメールや電話を行うと良いでしょう。

成果と評価~次回の展示会の準備

展示会終了後は成果を評価し、改善点を見直すことが重要です。目標達成度や来場者の反応を分析することで、次回の展示会に向けた改善点を明確にしましょう。具体的には、設定したKPI(重要業績評価指標)の達成状況を確認し、どの部分が成功し、どの部分に課題があったかを把握します。

たとえば、名刺交換の数や商談成立数、アンケートの回収結果などを振り返り、どの戦略が効果的だったのか、どの要素が改善が必要なのかを分析します。成果の評価と改善点の見直しを行うことで、展示会の効果を最大化し、次回の出展に向けた戦略をより強化することができます。

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まとめ:展示会は準備段階から始まっている

展示会は、IT企業がリードを獲得し、ビジネスを成長させるための重要な機会です。効果的な展示会マーケティング戦略を展開することで、IT管理者はリード獲得を量産し、ビジネスの成功に貢献することができます。この記事で紹介した目標設定からフォローアップまでの一連のステップを丁寧に実行し、展示会を成功させるための努力を惜しまないようにしましょう。

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