「投稿しても反応がない…」そんな悩みの陰に、ハッシュタグの設計ミスが隠れていることは少なくありません。
同じ「#」でも、Instagram・TikTok・X(旧Twitter)では役割も効果も違うため、プラットフォーム別の戦略が必要です。
この記事では、アルゴリズム視点の考察+最新の推奨をもとに、今日から改善できる“勝てるハッシュタグ戦略”を解説します。
ハッシュタグとは?
ハッシュタグは、投稿をトピックで束ねて検索・推薦を助けるメタデータ(ラベル)です。分類・検索・関連投稿の発見性を高め、フォロワー外リーチの入口になります。Instagramの運用ノウハウでも、ハッシュタグは「話題の索引」として定義され、発見性に寄与する基本機能とされています。
ハッシュタグの使い方に関する基本ルール
- 半角スペースで区切る必要がある。
- 記号(例:&、%)は使えない。
- 多すぎ、長すぎるタグや意味不明なタグは避ける。
SNSごとのハッシュタグの“効き方”と前提の違い
主要SNS別・使い方の要点(早見表)
- Instagram:投稿は最大30個までタグ付け可能。発見面(検索・タグページ)経由のリーチ狙い。近年は「少数精鋭推奨」という説明と、「多めが伸びる」という大規模分析が併存しており、アカウント特性に合わせたABテスト必須。
- TikTok:レコメンドは**ユーザー行動・コンテンツ情報(キャプション/サウンド/ハッシュタグ)などの複合シグナルで決定。ハッシュタグは動画の意味づけ(カテゴリ化)**として重要。
- X(旧Twitter):ハッシュタグは会話の索引。公式ベストプラクティスは「1〜2個」で、リアルタイム性とトレンド適合が鍵。
SNS | 役割 | 推奨タグ数 | ポイント |
---|---|---|---|
発見性を高める | 3〜5個(公式推奨) or 20〜30個(分析結果※) | 関連性重視+ブロード(人気タグ)〜ニッチ(特定のニーズ)をミックス | |
TikTok | 動画の意味付け(レコメンド要因) | 3〜5個程度に厳選 | 関連性重視+流行りのハッシュタグ+適正数 |
X(旧Twitter) | 会話・トレンド参加 | 1〜2個(公式推奨) | 読みやすさとトレンド適合を両立 |
(※引用:Instagramでハッシュタグをいくつ使うべきか(1,800万件の投稿を分析)/Later)
(※引用:ハッシュタグの使い方/X ヘルプセンター)
「伸びない」原因は“選び方”にある―改善ポイント
ありがちな原因
- 人気タグの多様:競合が多く埋もれる/関連性が弱いとアルゴリズム評価が下がり、エンゲージメントも低下しやすい。
- ハッシュタグ数の不適性:Instagramでは少数推奨のガイダンスもあれば、多数有利のデータもある。
- 関連性の低さ:TikTokは「コンテンツ情報」との関連性高め。タグの不一致はエンゲージメント低下の原因に。
改善チェックリスト
- 投稿内容とタグが厳密に一致しているか
- ターゲットが検索しそうな語を含めたか(業界・地域・用途)
- ボリューム帯のミックス(人気タグ×ミドル×ニッチ※特定や専門のワード)になっているか
- プラットフォーム別の推奨数に沿っているか
- 過去の良タグを特定・更新しているか(ハッシュタグ分析の継続)
誰に・何を・どう発見させる?
目的 → タグ戦略の典型パターン
- 認知拡大:業界・カテゴリのブロード+ブランド名(Instagramは中規模ミドル帯も)
- エンゲージメント:コミュニティ・参加型(#今日の◯◯ など)
- CV促進:商品名・型番・用途・地域タグで検索意図に寄せる
OK/NG例
Instagram(カフェの新メニュー告知)
- OK:
#表参道カフェ #抹茶ラテ #季節限定 #スイーツ好きと繋がりたい #東京スイーツ
↳ 地域×商品×ニッチで“探しに来る人”に適合。 - NG:
#love #followme #instagood #fyp #最高
↳ 無関連・過度に広すぎて埋もれる/スパム印象。少数精鋭or多数精選のどちらにせよ関連性が最優先。
TikTok(読書アカウントのブックレビュー)
- OK:
#BookTok #ミステリー小説 #今週の一冊 #読書好きな人と繋がりたい #新刊レビュー
↳ コミュニティタグ(#BookTok)+ニッチで推薦精度UP。 - NG:
#fyp #trending #viral
↳ 意味づけが弱く、レコメンドの学習に寄与しにくい。
TikTokのおすすめシステムは、以下の3つの主要な要素に基づいてコンテンツを推奨しています。
- ユーザーインタラクション: ユーザーが「いいね!」、共有、コメント、視聴したコンテンツ
- コンテンツ情報: サウンド、ハッシュタグ、視聴回数、投稿された国
- ユーザー情報: デバイス設定、言語設定、場所など
提供された文章に含まれた「ハッシュタグ」からコンテンツのジャンルやトピックを識別し、そのコンテンツがどのユーザーに表示すべきか重要な「手がかり」として機能します。
また、システムは、過去に同様のハッシュタグ付きの動画を視聴したり、「いいね!」したりしたユーザーに、「おすすめ」の動画として表示する可能性が高まります。
引用:TikTokがコンテンツを推奨する方法/TikTok公式
X(イベント登壇の告知)
- OK:
#TechConf2025
(テックカンファレンス)で
#生成AI
の活用事例を話します。日時:9/12 15:00〜
↳ 1–2個の関連タグで読みやすさとトレンド適合。 - NG:本文がタグだらけ(3個以上連発)
↳ 可読性低下・クリック抑制。公式の目安は1–2個。
ハッシュタグABテストで効果を検証
例:Instagram
- 仮説立案
- パターンA:3–5個(Creators推奨)/パターンB:20–30個(Later分析)
- セット作成
- 各5投稿分を同時間帯・同フォーマットで準備。タグは**関連性100%**に限定。
- 投稿&計測
- 指標:リーチ(フォロワー外比率)・保存・プロフィールアクセス。
- 勝ちタグ抽出
- 重複出現タグやニッチ帯の効き(上位20%)を次回の投稿タグの土台へ。
- 改善
- 勝ちタグ+新規ニッチを入れ替え、翌週AB再実施。
- 分析の継続で効果的なハッシュタグを把握。
まとめ
- ハッシュタグは発見性を高めるために関連性を示す“符号”
- プラットフォーム別のハッシュタグの意味を理解し、関連性>量で設計する。
もちろん、投稿に対する反響は、「ハッシュタグや投稿する時間帯やトレンドなどのタイミング」受動的な部分に対する認知戦略も重要ですが、「興味をひくプロフィールや投稿画像、投稿文章でエンゲージメントを増やす」などの能動的な部分に対する認知戦略も必要です。
また、Google検索で上位表示を狙うSEO対策のように、SNSも定期的にアルゴリズムの変化や仕様変更があるため、定期的な戦略の見直しは必要です。
これら複合的要因が影響して「伸びる」投稿は実現させることができるのです。