勤怠管理システムの導入検討にあたり、費用を抑えるため無料での導入をお考えになったことはないでしょうか。実は無料で導入可能な勤怠管理システムにはさまざまな条件があり、お試し導入(トライアル)に向いているものから、基本機能であれば継続利用可能なものまで、いくつものバリエーションがあります。
この記事では勤怠管理システムが無料で利用できる条件や、有料勤怠管理システムとの違いは何かについて解説します。勤怠管理システムの導入検討に、是非この記事お役立てください。
勤怠管理システムでできること
勤怠管理システムとは、従業員の出退勤時間や労働時間、休暇、残業、休憩などの労務情報をデジタルで一元的に管理するためのシステムです。
勤怠管理システムを導入すれば、これまで手作業で行われていたタイムカードやエクセルなどを用いた勤怠記録における勤怠管理が自動化されます。
勤怠管理システムが持つ主な機能
勤怠管理システムには、ICカードやスマートフォンのアプリ、PCログインを活用した打刻機能、勤務シフト管理、休暇申請・承認機能、労働時間の自動集計、法定労働基準を考慮したアラート機能など、いろいろな機能があります。
他のソフトと連携ができるシステムも
勤怠管理システムの中には、給与計算ソフトとの連携やクラウド型サービスによるリモートアクセスにも対応しているものもあります。
このように、勤怠管理システムは労務管理の効率化やペーパーレス化を実現し、従業員と管理者双方の業務負担を軽減する重要なツールです。
どこまで使える!?無料勤怠管理システム
勤怠管理システムには多くの種類があり、中には無料で継続的に使えるものも少なくありません。では、それら無料の勤怠管理システムは、本当に使えるのでしょうか?一般的な無料の勤怠管理システムと、有料の勤怠管理システムをそれぞれ比較してみましょう。
無料版 | 有料版 | |
月額コスト | なし | 一般的には従業員1人あたり200〜500円/月程度 |
初期費用 | なし | 無料〜数万円程度(完全無料のものも多い) |
機能 | 限定的な場合が多い | さまざまな機能が使える |
カスタマイズ | 不可な場合が多い | 可能 |
他のシステムとの連携 | 不可な場合が多い | 可能 |
サポート | メールやFAQなど基本的なサポートは受けられるケースが多い | 専門的なサポートを受けられる |
無料版のメリットは、コストがかからないことに加え、小規模な企業や店舗、または短期間の試験運用に適している点です。従業員の人数が多い場合や、さまざまな機能を使いたい場合、または他のシステムとの連携を考えている場合は、自然と有料版が選択肢となります。
ただし、有料版をすぐに導入するのではなく、一度無料トライアルを挟み、ツールの使い勝手を確かめてからの導入をおすすめします。下記はよく利用されている勤怠管理サービスです。
製品名 | 企業名 | 利用可能人数 | データ保存期間 | 機能制限 | サービス制限 | その他 |
ジョブカン勤怠管理 | 株式会社Donuts | 10名まで | 30日間 | 印刷・データダウンロード機能の制限 | チャットサポート利用不可 | ジョブカン給与計算との連携不可 |
HRMOS勤怠(IEYASU) | 株式会社オービックビジネスコンサルタント | 30名まで | 1年間 | 一部機能制限あり | 問い合わせサポート利用不可 | 広告表示あり |
Pochikin(ポチ勤) | 株式会社Pochikin | 50名まで | 無期限 | なし | 要問合せ | シンプルな機能が特徴 |
スマレジ・タイムカード | 株式会社スマレジ | 30名まで | 要問合せ | 無料アカウント作成後、60日間は全ての機能が利用可能 | チャットサポート利用不可 | |
フリーウェイタイムレコーダー | 株式会社フリーウェイジャパン | 10名まで | 要問合せ | なし | メールサポートなし | 11名以上の場合は有料プランへの移行が必要 |
オツトメ! | ネクストライブ株式会社 | 無制限 | 要問合せ | なし | 要問合せ | 広告表示あり |
ポチ勤(Pochikin) | 株式会社Pochikin | 50名まで | 要問合せ | なし | 要問合せ | |
タブレットタイムレコーダー | 株式会社ネオレックス | 3名まで | 要問合せ | なし | 要問合せ | |
ココダス・USBタイムレコーダー | ココダス株式会社 | 5名まで | 要問合せ | なし | サポートなし | |
レコル | 中央システム株式会社 | 30日間無料トライアルは制限なし | 要問合せ | なし(無料トライアル期間中は全機能利用可能) | チャットサポート利用不可 | |
CLOUZA | 株式会社Donuts | 5名まで(30日間無料トライアル) | 要問合せ | 一部機能制限あり | チャットサポート利用不可 |
※2024年9月13日現在
無料トライアル版の特徴(メリットとデメリット)
有料版の勤怠管理システムには、導入を検討している企業向けに無料のトライアル版が提供されていることも少なくありません。無料トライアル版の主な特徴は下記となります。
1. トライアル期間
一般的には7日間から30日間程度の無料トライアルが提供されます。
2. 使用可能な機能
一部の高機能オプション(カスタマイズ機能や他システムとの連携)は利用できない場合もありますが、有料プランとほぼ同じ機能が使用できる場合が多いです。
- 基本機能:勤怠打刻、出退勤管理、シフト作成、休暇申請など
- 管理機能:労働時間集計、レポート出力、法令遵守アラートなど
※高機能オプションへの制限に関しては、各システムの提供内容に基づき異なるため、確認が必要です。
3. ユーザー制限
トライアル期間中は、利用できるユーザー数が数人から数十人までに制限される場合があります。
4. サポートの提供
無料トライアル中でもサポートを受けられる場合があります。
5. データの引き継ぎ
トライアル期間中に入力したデータは、有料版へ移行した後も引き継げるサービスも多く、そのためトライアル期間中の記録を活用することができます。
6. トライアル後の特典
トライアル終了後には、初期費用無料や月額料金の割引、契約期間の延長特典などの割引キャンペーンや特典が提供されるケースもあります。このように有料版の無料トライアルには多くのメリットがあります。
勤怠管理システム選びのチェックリスト
勤怠管理システムを選ぶ際に確認すべきポイントをリスト化しました。勤怠管理システムを導入する際には、以下のポイントを満たしているか確認すると、導入の失敗の可能性を大幅に減らせるでしょう。
- 自社の勤務形態(シフト制、テレワークなど)に対応しているか。
- 他のシステム(給与計算、ERPなど)と連携できるか。
- スマートフォンやクラウドでの利用が可能か。
- 法改正への対応が迅速かつ正確に行われるか。
- サポート体制は十分か。
勤怠管理システム:導入事例
勤怠管理システムを導入して成功した事例をいくつか紹介します。
1. 株式会社ニシムタ
- 業種: 小売業
- 導入システム: HRMOS勤怠
- 導入前の課題: 28店舗・3,500名の勤怠管理を手作業で行っており、集計作業に多大な時間がかかっていた。
- 導入後の効果: 勤怠管理システムへの切り替えにより、集計作業を約50%削減。さらに、労務領域の法対応も実現した。
2.株式会社サンテクノス
- 業種: 技術サービス業
- 導入システム: 奉行Edge 勤怠管理クラウド
- 導入前の課題: 直行直帰で現場を移動する技術検査員の労働時間把握が困難で、打刻の徹底が課題だった。
- 導入後の効果: スマートフォンでのGPS打刻が可能となり、リアルタイムで労働時間を把握。平均有給取得日数が4日以上増加し、残業平均時間が5時間以上減少した。
3.讃岐罐詰株式会社
- 業種: 小売業・卸売業
- 導入システム: KING OF TIME
- 導入前の課題: IT人材が不在で、3拠点100名超の勤怠管理が手作業で行われていた。
- 導入後の効果: 勤怠管理システムの導入により、リアルタイムで勤怠状況を確認できるようになり、業務効率が向上した。
おすすめ勤怠管理システム
勤怠管理システムは数多くあるため、全てを試すのはなかなか難しいでしょう。ここでおすすめのシステムを紹介しますので、よかったらこちらのシステムをまずはご検討ください。
三菱電機ITソリューションズ(株)
ALIVE SOLUTION TA 就業システム
300名以上の「中堅企業」にフィットする勤怠管理システム
労働時間や有給休暇の管理、多様な働き方への対応など、独自性の高い就業規則にも柔軟にフィットするシステムです。クラウドサービスの機能では事足りないお客様におすすめです。
(株)ラクス
勤怠管理システム「楽楽勤怠」
豊富な機能群で「面倒くさい」勤怠管理をもっと、ラクに!
「楽楽勤怠」は勤怠管理・給与計算をラクにするクラウド型勤怠管理システムです。出退勤や残業、休暇取得などの勤怠情報を一元管理し、給与計算に必要なデータを1クリックで出力します。
(株)チームスピリット
チームスピリット
勤怠×工数DXで生産性向上を実現!
チームスピリットは勤怠・工数・経費をクラウドでご利用いただけるシステムです。上場を目指す成長企業から大手優良企業まで多様な業態のバックオフィスDXをご支援しております。
エス・エー・エス(株)
「勤労の獅子」- 勤怠管理システム
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まとめ:勤怠管理システム無料版・有料版の比較
本記事では無料版と有料版の違いを比較し、それぞれの特徴を解説しました。
無料版はコスト削減や短期間の試験運用に最適ですが、機能やサポートの面で制限があります。一方、有料版は多機能で他のシステムとの連携や専門的なサポートが可能で、中長期的に大きな効果を期待できます。無料トライアルを活用し、実際の運用を試した上で自社の規模やニーズに合ったシステムを選ぶことが業務改善の近道となります。
なお、スマートフォンアプリのみで簡潔に使える勤怠アプリもありますので、よかったらこちらの記事もご覧になってください。