ビジネスにおいて、物品購入や新しい取引を開始する際、稟議書は欠かせません。しかし、稟議書が承認されずに困った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、稟議書をスムーズに通すためのポイントや、具体的な書き方のコツをご紹介します。稟議書の作成に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
稟議書の基本的な役割と重要性
稟議書とは何か?
稟議書とは、企業内で物品購入や取引の開始など、重要な意思決定を行う際に必要な書類です。稟議書を作成することで、決裁権を持つ上司や関係者から承認を得ることができます。
企業の規模や業種によって形式や内容が異なりますが、基本的には提案内容、目的、コスト、リスクなどを明確に記載することが求められます。
稟議書が承認プロセスで果たす役割
稟議書は単なる報告書ではなく、意思決定プロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。
上司や関係者が内容を理解しやすく納得できるものであることが、承認を得るためのカギです。稟議書がスムーズに通れば業務の進行も円滑になり、企業全体の効率向上にも寄与します。
稟議書を通すための3つのポイント
稟議書は通して初めて意味があります。ですので、ここでは稟議書を通しやすくするための代表的なポイントを3つ解説しましょう。
稟議書を通すためのポイント1:目的を明確にする
稟議書を通す際に最も重要な要素の一つは、目的を明確にすることです。たとえば、物品購入の場合、その物品が業務にどう貢献するのかを具体的に記述します。
新しい取引を開始する場合も、その取引が企業にもたらすメリットを説明し、目的を理解してもらうことが承認を得るための第一歩です。
具体例
以下は、具体例です。新しいソフトウェアの導入のための稟議書に記載する目的として、このような文章を書くと良いでしょう。
- 目的:社内のプロジェクト管理を効率化し、タスクの進捗状況をリアルタイムで把握することで、全体の生産性を20%向上させる。
- 説明:現在使用している手動でのタスク管理は、担当者の負担が大きく、作業の遅延が発生しやすい。このソフトウェアを導入することで、タスクの自動割り当てや進捗の可視化が可能となり、業務のスピードアップが期待できる。
稟議書を通すためのポイント2:コストとメリットの明示
稟議書には、購入する物品や開始する取引にかかるコストを具体的に記載する必要があります。単にコストを記載するだけでなく、そのコストに見合うリターンやメリットを明示することが重要です。
たとえば、コスト削減効果や生産性向上など、数値化できるメリットを示すことで、承認者にとって納得しやすい内容になります。
具体例
以下は、具体例です。デジタルマーケティングの強化のための稟議書に記載するコストとメリットは、このように書くと良いでしょう。
- コスト:初年度のマーケティング予算500万円
- メリット: 広告キャンペーンにより、オンライン売上が20%増加し、予測される収益増加額は1,500万円。また、顧客データの蓄積と分析により、ターゲットマーケティングが可能となり、長期的な顧客ロイヤルティの向上が期待できる。
稟議書を通すためのポイント3:リスクの考慮と対応策
どんな提案にもリスクが伴います。予想されるリスクをリストアップし、それらに対する具体的な対応策を記載することで、承認者に対してリスク管理の姿勢を示すことができるでしょう。
対応策を記載することで信頼性の高い稟議書となり、承認されやすくなります。
具体例
以下は、具体例です。新規システム導入のための稟議書に記載するリスクと対応策は、このように書くと良いでしょう。
- リスク: システムの導入初期において操作ミスやトラブルが発生し、業務が一時的に停滞する可能性がある。
- 対応策: 導入前に徹底した操作トレーニングを実施し、初期トラブルに対応するサポート体制を強化する。また、システム稼働前にパイロットテストを実施し、問題点を洗い出して対処する。
稟議書を書く際のポイント
簡潔かつ論理的な文章
稟議書は読み手にとって分かりやすいものでなければなりません。文章はできるだけ簡潔で論理的にまとめましょう。長文は避けたほうが無難です。
必要な情報だけをピックアップして記載することで、読み手が内容をすぐに理解できるようになります。また、論理的な構成を意識すると、説得力のある稟議書を作成しやすくなります。
図表やデータの活用
文章だけで説明するのが難しい場合や視覚的な理解が求められる場合には、図表やデータの活用も考ええてみてください。
たとえば、予算の比較表やコスト削減効果を示すグラフなどを添付すると、読み手の理解を助けることができます。
適切な言い回し
過度に専門用語を使用すると逆に分かりにくくなってしまいます。バランスが重要です。
どうしても必要な部分での専門用語の使用は仕方ありませんが、全体としては分かりやすさを優先した文章を心がけましょう。
稟議書の通過をスムーズにするための工夫
事前の根回し
稟議書がスムーズに通るかどうかは、事前の準備に大きく左右されます。とくに重要な提案や高額な物品購入に関しては、稟議書を提出する前に関係者や上司と事前に協議し、支持を得ておくことが重要です。
この根回しがしっかりできていると、稟議書提出時に反対意見が出にくくなり、スムーズに承認が得られる可能性が高まります。
タイミングの重要性
稟議書を提出するタイミングも、承認を得るための重要な要素です。たとえば、予算編成の時期や決算期など、企業の状況や季節的な要因を考慮してタイミングを選ぶと承認を得やすくなります。
タイミングを見計らうことで、上司や関係者の心理的な抵抗を最小限に抑えることができるでしょう。
無料DL:一般的な稟議書
一般的な稟議書はこちらから無料でダウンロードできます。Wordで作成してあるので、それぞれの目的に合わせて自由にアレンジしてお使いください。
また、稟議書の書き方について更に知りたい方は以下の記事が参考になります。
まとめ
稟議書を通すためのポイントについて解説しました。慣れないうちは稟議書を作るのが大変かもしれませんから、是非この記事の内容を参考にしてください。
また、他人が書いた稟議書を読むと、自分でも作りやすくなります。稟議書の読み方については以下の記事にまとめてありますので、よかったらこちらの記事も参考にしてください。