近年、ビジネスプロセスの自動化を進める中で、RPA(Robotic Process Automation)ツールの導入が多くの企業に浸透しています。RPAを導入する主な目的は、業務の効率化やコスト削減です。しかし、あまりにも多くのRPAツールが市場に出回っているため、何を選んで良いのかわからない方も多いかもしれません。
そこで当記事ではこれからの導入を検討している方に向けて、無料RPAと有料RPAの比較をしながら、自社に必要なツールを紹介します。無料のRPAツールで足りるのか、本当は有料RPAツールが必要なのか、と迷っている方は、是非参考にしてください。
RPAとは
RPAは、人間が行う定型業務を自動化する技術です。具体的には、PC上で行う操作を記録・再生することで、人間と同じ作業を自動化することができます。とくに有効なのは繰り返しで発生するルーティンワークやデータ入力などの自動化ですが、他にもさまざまな業務に適用させることが可能です。
RPA には難しい印象があるかもしれませんが、RPAツールを利用することでプログラミングの知識やスキルがなくても簡単にRPAを導入することができます。
RPAの導入でできること
RPAツールを導入することで、以下のことができるようになります。
- 定型業務の自動化
- 業務の効率化
- コスト削減
- ミスの防止
- 人間には難しいタスクも可能になる
定型業務の自動化
RPAを導入することで定型業務の自動化が可能となります。たとえば、データエントリーや帳票作成などの作業です。これらの反復的な作業をツールが担当すれば、手の空いた従業員はより重要な業務に集中できます。RPAの導入により、社内業務全体の効率が向上し、生産性がアップします。
業務の効率化
RPAは高い処理速度で業務プロセスを遂行するため、人の手作業と比較すると迅速で正確な結果を生み出します。これにより、業務プロセスの時間短縮やリソースの最適活用が実現され、企業は迅速で効果的なサービスの提供が可能となるのです。
コスト削減
コスト削減もRPA導入の魅力的な側面です。これまで従業員が莫大な時間をかけて行っていたルーティン業務をRPAツールが担当することで、大幅な人件費の削減が期待されます。
ミスの防止
RPAはプログラミングされた手順に忠実に従って一貫性を保つため、人為的なミスや入力ミスを大幅に軽減し、業務の品質向上が期待できます。とくにデータ処理など正確性が求められる場面では効果が顕著です。
人間には難しいタスクも可能になる
RPAを導入すれば、24時間体制での作業や大量のデータ処理など、人間には難しいタスクや人が行うと膨大な時間を必要とするタスクも効率的に遂行できます。
このようにRPAを導入することで生まれるメリットは非常に多くあります。ただしRPAツールはそれぞれ機能が異なり、無料のものから高額なものまで非常にラインナップが豊富です。選択肢が多いのは良いことですが、多すぎてわかりづらい点は否めません。そこでまずは、無料のRPAツールと有料のRPAツールを比較してみましょう。それぞれのメリットとデメリットを把握することで、自社に必要なRPAツールのタイプを明確にします。
無料RPAツールのメリット
まずは無料RPAツールのメリットからです。
- 気軽に試せる
- 導入のハードルが低い
気軽に試せる
無料で提供されているため、導入にコストがかからないのは非常に大きなメリットです。「まずはRPAツールを試してみたい」という方は、無料のRPAツールから検討すると良いでしょう。
導入のハードルが低い
コストがかからないことがハッキリしているため、社内でも案を通しやすいのもメリットです。無料版の利用によりRPAツールの便利さを周知させられれば、後日有料版を導入できる可能性も上がります。
無料RPAツールのデメリット
無料RPAツールのデメリットは、以下のとおりです。
- 機能が制限されている
- 十分なサポートを受けられない
機能が制限されている
無料RPAツールは機能が十分ではないケースも少なくありません。そのため、高度な自動化や大規模な運用には不向きです。また、同じツールでも無料版と有料版の両パターンが用意されているケースもあります。その場合、無料版の機能は大きく制限されています。
十分なサポートを受けられない
無料RPAツールでは十分なサポートを受けられないことが多いです。また、ツールは無料だが、サポートは有料というケースもあります。
有料RPAツールのメリット
有料RPAツールのメリットは、以下のとおりです。
- 機能が豊富で大規模な運用にも対応
- 充実したサポート
機能が豊富で大規模な運用にも対応
有料のRPAツールは機能が豊富で、高度な自動化や大規模な運用にも対応しています。複雑な業務プロセスの自動化も可能です。本格的に社内で活用するのであれば、やはり有料のRPAツールが便利でしょう。
充実したサポート
サポート面が充実しているため、社内にRPAツールに詳しい人がいなくても安心して導入できます。
有料RPAツールのデメリット
有料RPAツールのデメリットは、以下のとおりです。
- 費用が高い
- トレ―ニングが必要
費用が高い
有料のRPAツールにはライセンス料や導入コストが発生するため、予算の制約がある場合は検討が必要です。
トレ―ニングが必要
高度な機能を活かすためには、対応するスキルやトレーニングが必要となる場合もあります。
おすすめの有料RPAツール
当記事でおすすめする有料のRPAツールはこちらです。本格的な導入を考えている方は、まずこちらのツールをご検討ください。
※これらの製品情報の閲覧には「DXPOオンライン会員登録」が必要です。
(株)キーエンス
ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ
“かんたんすぎるナビ付きRPA”新登場!
ナビ付きRPAなので、自分一人でデスクワークを自動化でき、誰もが気軽に扱えるツールです。プログラミングの知識や経験がなくても、利用できるRPAツールを導入したい企業へお薦めです。
(株)ICSパートナーズ
会計RPA「Accountech RPA」
驚くほど簡単なRPA設定で経理の定型業務自動化を実現!
簡単な設定・操作で経理・会計の定型業務を自動化。ノンコア業務にかける時間を短縮し、決算業務の早期化など、コア業務への注力を実現します。
スターティアレイズ(株)
低価格でだれでも使えるRPA「RoboTANGO」
月額5万円の低価格RPAツール『RoboTANGO』
初心者でも使えるRPA「RoboTANGO」をご紹介しています!サポートも力を入れておりますので、ITツール導入に不安がある方もお気軽にお立ち寄りください!
(株)アイ・エス・アイソフトウェア-
ローコードツール「Power Platform」
Microsoftユーザー必見!
アプリ開発やデータ連携、分析などができるPower Platform。単体での使用も効果的ですが、他のMicrosoft製品と組み合わせることでシステム全体の最適化を実現します。
RPAツールを導入する際のポイント
RPAツールを導入する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 導入目的を明確にする
- 自社の業務に適したツールを選ぶ
- セキュリティ対策
- 導入計画を立てる
導入目的を明確にする
どのような目的でRPAツールを導入しようとしているのか、その点を明確にします。また、サポートが必要であるかどうかの判断も初期段階で行います。
自社の業務に適したツールを選ぶ
導入目的とサポートの必要性が明確になれば、どんなRPAツールが自社に必要なのかもハッキリするでしょう。無料のRPAツールで足りるのか、有料のRPAツールが必要なのかもわかります。
セキュリティ対策
ビジネスプロセスの自動化に伴い、セキュリティリスクが発生する可能性もあります。選択したツールが適切なセキュリティ対策を講じているか、確認することが重要です。
導入計画を立てる
ここまでの流れを踏まえた上で導入計画を立てれば、スムーズです。
自社の業務に適したツールを選ぶためには、自社の業務内容や要件を整理する必要があります。また、導入目的を明確にすることで、ツールの選定や導入後の運用に役立ちます。さらに、導入計画を立てることで、スムーズな導入を実現することができます。
まとめ:自社のニーズに合わせた選択を
RPAツールの選定は企業の業務特性や予算により異なります。無料のRPAツールは手軽に導入できますが、ビジネスの成長に伴い制約が生じる可能性があるのです。
一方、有料RPAツールは高度な機能やサポートが魅力的ですが、導入コストがかかります。ビジネスの規模やニーズに合わせて検討して最適な選択をすることが、RPAツールを利用してビジネスを飛躍させるためのポイントです。