近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化がますます加速しています。DXに関する重要なもののひとつが、セキュリティ関連です。とくにエンドポイントセキュリティは、極めて重要だと言えるでしょう。そこで本記事では、基本概念やEDR(Endpoint Detection and Response)との関係性など、エンドポイントセキュリティについてわかりやすく解説します。
2分で理解するエンドポイントセキュリティの基礎知識
まず、エンドポイントセキュリティとは何か、わかりやすく解説します。エンドポイントセキュリティとは、特定のセキュリティシステムを指すのではなく、さまざまなセキュリティ対策の総称です。とくに、企業ネットワーク内のデバイスや端末(エンドポイント)を保護するためのセキュリティ対策に対して、このように呼びます。
エンドポイントセキュリティの役割
エンドポイントセキュリティがどのような役割を果たしているのか、まとめたのでご覧ください。
- 攻撃の予防:ウイルスやマルウェアからエンドポイントを守り、悪意のあるプログラムの侵入を未然に防ぎます。
- データ漏洩の防止:機密データの暗号化やセキュリティポリシーの厳格な管理を通じて、データ漏洩を防止します。
- 不正アクセスへの対応:不審なアクセスや異常な挙動を検知し、迅速な対応を可能にします。
- デバイスの管理と制御: 企業ネットワークへの許可されていないデバイスの接続を防ぎ、セキュリティを強化します。
エンドポイントセキュリティに含まれるシステム
エンドポイントセキュリティには、具体的に以下のものが当てはまります。
- ウイルス対策ソフトウェア:悪意のあるソフトウェアやマルウェアからエンドポイントを保護するために使用されます。定期的なウイルス定義の更新とリアルタイムなスキャンにより、感染を予防します。
- ファイアウォール:ネットワークとの通信を監視し、不正なアクセスや攻撃からエンドポイントを守ります。設定可能なルールに基づき、不審なトラフィックをブロックするシステムです。
- 侵入検知システム(IDS):異常な活動や不審な挙動を検知し、モニタリングします。サイバー攻撃を早期発見して対処するためのシステムです。
- デバイス管理:エンドポイントデバイスのセキュリティポリシーの管理やデバイスの可視性の確保を行い、認証されていないデバイスからのアクセスを制限します。
- データの暗号化:重要なデータの保護を強化するためのものです。暗号化によってデータ漏洩を防ぎ、機密性を確保します。
このようにエンドポイントセキュリティを活用することで、企業で扱うデータを包括的に守ることが可能です。徹底的なエンドポイントセキュリティ対策を行えば、安全かつ安心してデジタル環境を活用できます。
EDRはエンドポイントセキュリティの一環
続いてはEDRについてです。EDRはエンドポイントセキュリティの一環として、とくにエンドポイント上での脅威検知と対応に焦点を当てた技術のことを言います。異常な動きや攻撃の兆候をリアルタイムで検知し、それに応じた対応が可能という特徴を持っています。具体的な機能は、以下のとおりです。
- 不審なファイルやプロセスの検知:エンドポイント上で実行されているファイルやプロセスに対して常に監視を行います。異常な動きや不審なパターンが検知されると、即座に警告が発せられます。
- 攻撃の原因や範囲の特定:攻撃の手口や侵入ルートを詳細に追跡し、攻撃の原因や影響範囲を特定します。この機能により、未然に対策を講じることが可能です。
- 迅速な対策の実行:検知された脅威に対して即座に対策を行います。被害を最小限に抑え、迅速なリカバリーが可能です。
EDRの持つ上記の機能により、エンドポイント上での高度な脅威にも対応することが可能になります。従来のセキュリティ対策では見逃されることがある脅威にも焦点を当てられるので、企業はセキュリティリスクを最小化し、データおよびエンドポイントの安全性を確保しやすくなるのです。
EDRとエンドポイントセキュリティの違い
前述したとおり、エンドポイントセキュリティは広範なセキュリティ対策を包括する総称です。一方、EDRはとくにエンドポイント上の脅威に焦点を当てた特化型のセキュリティツールを意味します。
エンドポイントセキュリティの全体的なアプローチ
エンドポイントセキュリティは、広範なセキュリティ対策を包括的に提供します。ウイルス対策、ファイアウォール、侵入検知システム(IDS)、デバイス管理、データの暗号化など、さまざまな要素が組み合わさり、企業のデバイスをさまざまな脅威から守ることが目的です。予防的なアプローチが主体であり、未然に不正アクセスを防ぐことが強調されています。
EDRの特化型アプローチ
EDRは、エンドポイント上での脅威にとくに焦点を当てた特化型のセキュリティツールです。エンドポイント上で発生する異常な動きや攻撃の兆候をリアルタイムで検知し、それに応じた即座な対応を行うためのツールであり、攻撃が実際に発生した際に素早く対処することが設計の中心にあります。
エンドポイントセキュリティを実現するためのステップ
エンドポイントセキュリティの実現のためには、以下のステップを踏みます。
ステップ1:エンドポイントの確認
まずは、ネットワーク内のすべてのエンドポイントデバイスを確認します。コンピューターはもちろん、モバイルデバイス、サーバーなど、すべてのエンドポイントデバイスを含める必要があります。
ステップ2:セキュリティポリシーの策定
エンドポイントセキュリティのための適切なポリシーを策定します。パスワードポリシーやデバイスのアクセス制御、セキュリティソフトウェアの導入などです。
ステップ3:セキュリティソフトウェアの導入
ウイルス対策ソフトウェア、ファイアウォール、侵入検知システム(IDS)、エンドポイント検出および対応(EDR)などのセキュリティソフトウェアを導入します。
ステップ4:従業員への教育とトレーニング
導入したセキュリティソフトウェアをきちんと使いこなすために、従業員に対してセキュリティ意識の向上やトレーニングを実施します。強力なパスワードの使用、フィッシング攻撃の識別、セキュリティソフトウェアの適切な利用などが含まれます。
ステップ5:定期的なパッチ管理
ソフトウェアやオペレーティングシステムのパッチ管理を定期的に行います。
ステップ6:監視と検知
エンドポイント上での異常な活動や脅威の検知を行います。具体的にはログの監視、セキュリティイベントの警告、不審なアクティビティの自動検知などです。
これらの手順を実行することで、エンドポイントセキュリティを効果的に実現できます。
エンドポイントセキュリティを活用するためのサービス
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まとめ
DX化を進めていくのであれば、セキュリティ対策も同時に強化していかなければなりません。そのために役立つのが、エンドポイントセキュリティでありEDRです。この記事での内容を、企業情報を安心かつ安全に扱うためのきっかけにしていただければ幸いです。