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ChatGPTは個人情報をどこまで取得している?知っておきたいAIと個人情報の事実

ChatGPTは個人情報をどこまで取得している? AI活用・DX推進
AI活用・DX推進営業・マーケ向け

「ChatGPTに話したことって、どこまで覚えられてるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?

AIとの会話が日常になりつつある今、私たちが入力する情報がどこまで記録され、どう使われているのかを知ることはとても重要です。便利さの裏にある“見えない仕組み”を知らずに使い続けるのは、少し不安を感じるかもしれません。

この記事では、ChatGPTがどこまで個人情報を取得しているのか、その仕組みとリスク、そして安全に使うためのポイントをわかりやすく解説します。


ChatGPTはどんな情報を取得しているのか?

ChatGPTは、ユーザーが入力したテキストだけでなく、技術的な情報や利用状況も取得しています。
下記は、プライバシーポリシーに記載されている内容を引用しまとめたもので、収集対象となりえる情報です。

お客様が提供する個人情報

お客様がアカウント作成や当社とのやりとりを通じて提供する情報です。

  • アカウント情報
    • 氏名
    • 連絡先情報
    • アカウント認証情報
    • 生年月日
    • 支払情報
    • 取引履歴

  • ユーザーコンテンツ情報(コンテンツ情報)
    • 本サービス利用時にお客様の入力によって提供される個人情報
    • 使用する機能に応じて画面の指示に従って入力する内容
    • アップロードするその他のコンテンツ(ファイル、画像、音声など)

  • コミュニケーション情報
    • 電子メールやソーシャルメディアサイトの当社ページなどを通じた当社とのやりとりで取得される情報
    • 氏名
    • 連絡先情報
    • お客様が送信したメッセージの内容

  • お客様が提供するその他の情報(その他提供情報)
    • 当社のイベント、アンケート参加時、または身元・年齢を確認するための情報など、お客様ご自身で当社に提供する情報

お客様の本サービス利用により当社が受領する個人情報(技術情報)

お客様が本サービスサイトを閲覧、利用、またはやりとりする際に自動的に受領する情報です。

  • ログデータ
    • インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)
    • ブラウザの種類及び設定
    • お客様によるリクエストの日時
    • お客様の当社の本サービスにおけるやりとり

  • 利用データ
    • お客様が閲覧又は関与したコンテンツの種類
    • お客様が利用した機能及びお客様がとった行動
    • お客様のタイムゾーン、国、アクセスの日時、ユーザーエージェント及びバージョン、コンピュータ又はモバイルデバイスの種類、コンピュータ接続など、本サービスの利用に関する情報

  • デバイス情報
    • 本サービスにアクセスするために使用するデバイスに関する情報(デバイス、オペレーティングシステム、デバイス識別子、ブラウザの名称を含む)

  • 位置情報
    • IPアドレスなどの情報に基づくおおよその地域
    • お客様が選択した場合のGPS上の位置情報など、より正確な位置情報

  • クッキー及び類似技術
    • クッキー及び類似技術を通じて取得される、本サービス運営・管理、お客様の本サービスにおける体験向上に必要な情報(お客様がアカウントを作成せずに利用する場合、閲覧セッション中の設定維持などの情報)

その他の情報源から当社が提供を受ける情報

信頼するパートナーやインターネット上で公開されている情報など、外部から取得する情報です。

  • 信頼するパートナーからの情報
    • セキュリティ関連事業者(不正アクセス、不正利用その他のセキュリティ上の脅威から保護するため)
    • マーケティング事業者(当社ビジネスサービスにおける潜在的な顧客に関する情報)

  • その他の情報源からの情報
    • 本サービスを支えるモデル(ChatGPTなど)を開発するために、インターネット上で公開されている情報など、他の情報源から取得する情報

これらの情報は、サービスの品質向上や不正利用の防止、法令遵守のために活用されているとOpenAIは説明しています。

つまり、単なる会話だけでなく、裏側では多くの情報が記録されているのです。こうした情報の取得は、ユーザー体験の向上に役立つ一方で、プライバシーへの影響も無視できません。

引用:OpenAIの規約とポリシー/OpenAI Privacy Policy


会話内容は保存される?記録の仕組みとは

ChatGPTの通常版では、ユーザーとの会話内容が最大30日間保存されることがあります。

これはOpenAIがサービスの改善やセキュリティ対策のために行っている措置であり、保存されたデータはAIの応答精度向上や不正利用の監視に使われる可能性があります。

一方で、ChatGPT APIやEnterprise版では、入力内容が学習に使われず、保存も最小限に抑えられているという違いがあります。

プラン名会話保存学習への利用
通常版(無料/Plus)最大30日間あり(オプトアウト可能)
API版最小限なし
Enterprise版最小限なし

利用するプランによって情報の扱い方が大きく異なるため、目的に応じた選択が重要です。


AIの学習に使われる?オプトアウトの方法

ChatGPTは、ユーザーの入力をAIの学習に活用することがあります。

これは、より自然な会話や精度の高い回答を実現するためですが、個人情報が含まれている場合はリスクにもなり得ます。OpenAIは「モデル改善のためのデータ使用」をオフにすることで、学習への使用を防ぐ設定を提供しています。

設定は以下の手順で変更できます。

  1. ChatGPTの設定画面を開く
  2. 「データコントロール」セクションへ移動
  3. 「モデル改善のためのデータ使用」をオフにする

この設定を行うことで、入力内容が学習に使われることを防げます。

もっとも、こうした設定があるからといって、すべてのリスクが完全に排除されるわけではありません。AIの進化は予測不能な側面もあるため、ユーザー自身が情報管理の意識を持つことが、最も確実な防衛策となります。


法律との関係——個人情報保護法の視点

日本の個人情報保護法では、本人の同意なく個人情報を第三者に提供することは原則禁止されています。

ChatGPTに個人情報を入力し、それがAIの学習に使われる場合、法的な問題が生じる可能性があります。特に企業での利用では、従業員や顧客の情報を扱う場面が多いため、慎重な運用が求められます。

API版やEnterprise版のように、学習に使われない環境を選ぶことは、法令遵守の観点でも重要です。


企業利用で気をつけたいポイント

企業がChatGPTを業務に導入する際には、情報漏洩や法令違反のリスクを避けるための対策が必要です。

まず、社内ルールの整備が重要です。機密情報や個人情報の入力を禁止するガイドラインを作成し、従業員に周知することが求められます。

また、Enterprise版などセキュリティが強化されたプランの導入も有効です。さらに、定期的なセキュリティ研修や監査を行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。

こうした対策を講じることで、AIの利便性を享受しながら、安全性も確保することが可能になります。


ChatGPTはGPSや音声データを取得しているのか?その疑問と現実

最近、ネット上では「GPSをオフにしているのに位置を特定された気がする」「音声入力を使っていないのに会話が拾われた」といった報告がネット上でみられます。こうした声は、ChatGPTが端末のセンサーデータにアクセスしているのではないかという不安につながっています。

しかし、現時点(2025年)でのChatGPTの仕様では、スマートフォンやPCのGPS、Bluetooth、加速度センサーなどの端末センサーデータに直接アクセスする機能はないとされています。

また、OpenAIの利用ポリシーでは、ユーザーの同意なしに個人情報や位置情報を取得することを明確に禁止しています。

それでも、「画像から場所を特定された」「会話の内容が妙に正確だった」と感じるケースがあるのは、ChatGPTが画像解析などの間接的な手法で位置を推測する能力を持っているためです。

間接的な位置の推測とは

IPアドレスからの地域予測

IPアドレスには、接続元のインターネットサービスプロバイダー(ISP)や地域に関する情報が含まれており、これをもとに「都道府県レベル」や「都市レベル」までの位置を推定することが可能です。

たとえば、東京からアクセスしているユーザーのIPアドレスは、東京のISPに割り当てられた範囲に属しているため、ChatGPTは「東京からのアクセス」と認識することができます。これは、Webサイトのアクセス解析や広告配信でも一般的に使われている技術です。

画像から位置を推測する「逆位置検索」の例

ChatGPT(特にGPT-4Vなどの画像認識モデル)は、画像に含まれる要素を解析することで、撮影場所を推定する能力を持っています。

  • 街並みや建物の形状:東京タワーや通天閣など、特徴的な建築物が写っていれば、場所の特定は容易です。
  • 看板や言語:日本語の看板があれば日本国内、韓国語なら韓国など、言語から地域を絞り込めます。
  • 天候や植生:雪景色や南国の植物など、気候や自然環境から地域の推定が可能です。
  • 交通標識や車両のナンバー:国ごとに異なる標識やナンバープレートのデザインから、国や都市を推測できます。

こうした情報の掛け合わせで絞り込みを行うことで、GPSがなくても「この画像はおそらく○○で撮影された」と判断できるのです。


🗣 会話の内容が反映されている疑惑

ChatGPTは、ユーザーの入力内容から文脈や背景を推測する能力にも長けています。たとえば:

  • 「昨日、渋谷でライブを見た」と入力すれば、渋谷のライブハウスやアーティストに関する情報を提示できます。
  • 「海が見えるカフェに行きたい」と言えば、位置情報がなくても、湘南や江ノ島などの候補地を提案することがあります。

このように、ChatGPTが「会話を把握している」「位置情報を取得しているように感じる」といわれる背景には、IPアドレスや画像解析など、複数の間接的な情報を組み合わせて文脈を推測する高度な処理があるためと考えられます。

対策

もし「マイクをオフにしているのに音声が拾われている気がする」と感じる場合は、以下の点を確認しましょう。

  • スマホやPCのマイク設定(OSレベル)が本当にオフになっているか
  • ChatGPTアプリのマイクアクセス権限が無効になっているか
  • 他のアプリがバックグラウンドでマイクを使用していないか

現時点ではこれらを確認することで、より安全に利用することができます。


将来的にセンサーデータにアクセスする可能性はあるのか?

技術的には、ChatGPTがスマートフォンアプリとして提供される場合、ユーザーが明示的に許可すれば、GPSやBluetoothなどのセンサー情報を活用することは可能です。

スマートフォンやIoTデバイスには、以下のようなセンサーが搭載されています。

  • GPS(位置情報)
  • Bluetooth(近接端末の検出)
  • 加速度・ジャイロ(動きの検出)
  • 気圧・温度・湿度センサー(環境情報)
  • カメラ・マイク(視覚・聴覚情報)

OpenAIはプライバシー保護を重視しており、ユーザーの同意なしにセンサーデータを取得しない方針を明示しています。

  • プライバシーの尊重。人はプライバシーの権利を有しています。そのため、当社は、本人の許可なく個人の私的な情報や機微な情報を収集、監視、プロファイリング、配布する行為など、他者のプライバシーを侵害する行為を許しません。また、当社のサービスを以下の目的で利用することはできません。
    • データ主体の同意のない顔認識データベース
    • 公共の場におけるリアルタイムの遠隔生体認証
    • 本人の同意なく、ある人物の肖像(写真のようにリアルな画像や声を含む)を使用し、本物と誤認させる可能性のある使用
    • 社会的行動、個人の特性、生体データに基づく個人の評価・分類(社会的スコアリング、プロファイリング、機微な属性の推測を含む)
    • 職場や教育の場における個人の感情に関する推測(医療上又は安全上の理由で必要な場合を除く)
    • 個人の特性やプロファイリングのみに基づく個人の犯罪リスクの評価・予測

引用:使用に関するポリシー/OpenAI

項目現状(2025年)将来的な可能性
GPSアクセス❌ 不可✅ アプリ化+同意で可能
Bluetoothアクセス❌ 不可✅ 近接検出などに応用可能
画像から位置推定✅ 可能✅ 精度向上中
音声データの常時取得❌ 不可✅ 明示的許可があれば可能
プライバシー保護✅ ポリシーで明示✅ 継続的な調整が必要

まとめ:情報を守るということ

ChatGPTをはじめとするAIツールの進化により、私たちが日々やり取りする情報は、テキストだけでなく、画像、音声、位置、操作履歴など、複数のレイヤーで処理・分析されるようになっています。

これらの情報は、個別に見れば些細なものかもしれません。しかし、AIはそれらを組み合わせ、文脈を読み取り、推測し、最適化された応答を返す力を持っています。つまり、断片的な情報でも、つなぎ合わせることで“個人像”が浮かび上がる時代なのです。

こうした環境下で、すべての情報を自分で守るというのは、もはや人間にとって困難な作業になりつつあります。設定の確認、利用規約の理解、アプリごとの挙動の把握など、複合的かつ総合的な意識が求められるからです。

AIとの付き合い方を見直し、必要な設定を行い、情報の扱いに敏感になること。それが、これからの時代における“情報リテラシー”の新しいかたちなのかもしれません。

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