良い接客は顧客との良好な関係を築き、リピーターを増やし、口コミでの評判を高めます。では、店舗で働く従業員たちの接客力を高めるためには、どうすれば良いのでしょうか。この記事は、経営者や管理者に向けて人材力で他社との差をつけるために、接客力を上げる5つの方法を紹介します。
あらためて接客力の重要さを知る
接客力とは、顧客に対するサービスや対応の質を指す概念です。優れた接客力を持つこととは、一般的に以下のことを指します。
- 顧客とのコミュニケーションや対応が円滑
- 顧客のニーズや要望を的確に理解して、彼らを満足させる
- 礼儀正しい態度
- 親切で丁寧な対応
- 適切な情報提供
- 問題解決能力が高い
接客力が高いと顧客の満足度が向上し、リピート率や口コミでの評判も良くなります。顧客の中には自らのリピート購入だけではなく、他の人々にもその店舗や企業を推薦してくれる人もいるでしょう。結果として店舗の競争力が強化され、長期的な成功につながります。
逆に、悪い接客は顧客の不満や不快感を引き起こします。企業の評判を損なうだけではなく、顧客離れやネガティブな口コミを招きます。残念ながら、良い口コミ以上に悪い口コミのほうが広がりやすい傾向があるのです。
企業や店舗の経営者または管理者は、できるだけ自分たちの従業員の接客力を上げる必要があるでしょう。
覚えておきたい!接客の3S
接客力向上のためには、「笑顔(smile)」「誠実さ(sincerity)」「早さ(speed)」といった「3つのS」を徹底させることが大事です。しかし、これらはあくまで基本中の基本にすぎません。本当の意味での「高い接客力」は従業員一人ひとりの自分の仕事への誇りや、良い接客をしようという意識から生まれます。
接客力を上げる!5大原則とは
接客には5大原則というものがあり、これらのひとつひとつをブラッシュアップすることで総合的な接客力の向上に繋げることができます。
- 挨拶
- 表情
- 態度
- 身だしなみ
- 言葉遣い
これらが接客の5大原則であり、経営者や管理者が従業員たちに求めるものでしょう。どれも当たり前のように感じるかもしれませんが、労働時間中を通じてこれらを徹底できる従業員は非常に優秀と言えます。
さて、管理者の側から従業員たちに対して接客力の向上を闇雲に求めるばかりでは、彼らが期待に応えてくれるはずはありません。求めるばかりでは駄目なのです。しかし、残念ながら管理者が従業員に求めるばかりの店舗も少なくはありません。とくに接客業ではその傾向が顕著で、接客が必要なサービス業の離職率は他の業種と比較すると、かなり高い数字になっています。
厚生労働省が発表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、接客が業務の割合の多くを占める宿泊業や飲食業の離職率は25.6%、生活関連サービス業・娯楽業は22.3%、その他のサービス業も18.7%です。他の業種の離職率が軒並み10%前後なのに、接客業の離職率は倍以上。この数値は異常でしょう。
業種 | 離職率 |
製造業 | 9.7% |
建設業 | 9.3% |
運送業 | 11.5% |
宿泊業・飲食業 | 25.6% |
サービス業・娯楽業 | 22.3% |
接客が必要な業種ほど、離職率が高いことに我々はもっと正面から向き合っていかなければなりません。結局のところ、多くの企業が従業員にただ求めるだけであり、接客力を上げるための戦略が未熟なのです。
接客力を上げるための5つの方法
ではどのような方法で接客力を上げていけば良いのでしょうか。この記事では以下の5つにポイントをまとめました。
- 従業員たちへのトレーニングと教育
- インセンティブの導入
- 顧客志向の文化を理解させる
- フィードバックを積極的に受け入れる
- 優れたリーダーを確立させる
接客力を上げる方法1:従業員たちへのトレーニングと教育
接客力は短期間で急に身につくものではありません。従業員たちの接客力を向上させるためには、継続的なトレーニングと教育、研修などが必要です。それらを通じて、従業員たちの接客スキルやサービスマナーを高めるようにしましょう。
具体的には、新しい接客技術や商品知識の習得を促し、常に顧客に最高水準のサービスを提供できるよう支援することです。トレーニングプログラムでは、従業員たちが業務に必要なスキルを習得し、自信を持って接客に臨めるようサポートします。また、トレーニングの成果を定期的に評価し、必要に応じてプログラムを見直すことも大切です。
このようなトレーニングを継続的に行うことで、従業員たちは常に最新の知識とスキルを習得し、顧客との良好な関係を築きやすくなります。接客力と顧客満足度の向上に繋がりやすくなるのです。
接客力を上げる方法2:インセンティブの導入
従業員たちのモチベーション向上のために、成果に応じたインセンティブや報奨制度を導入するのは、非常に効果的です。このような制度を導入する際には、何かしらの基準を設ける必要がありますが、その基準が従業員たちにとっては「良い目標」になりやすいのです。
目標が達成されたり、自分の接客を褒められたりするだけではなく、報酬や賞与などの成果に見合った報酬体系が構築されれば、従業員たちのモチベーションは一気に高まります。
従業員たちに「求める」だけでは、彼らはついてきません。むしろ、求めれば求めるほど離職の原因になりかねないのです。求めるのであれば、同時に「与える」ことも考えていきましょう。その点から考えると、インセンティブ制度は従業員の能力や努力を正当に評価し、モチベーションを維持するための重要な手段です。また、福利厚生の充実も有効的です。
接客力を上げる方法3:顧客志向の文化を理解させる
どこまで顧客のニーズや要望を的確に把握してサービスを提供するのかは、企業文化に大きく左右されます。企業側で最高のサービスを提供しようとするのであれば、従業員たちにその企業文化を徹底的に教育しなければなりません。
もしも従業員たちがそれぞれの価値観で接客をしたら、企業が求める「最高のサービス」には到底届かないでしょう。どこまでのサービスを提供するのかの基準として、やはりマニュアルが必要です。
また、顧客満足度を高めるためには顧客からのフィードバックを真摯に受け止める必要もあるでしょう。そのため、マニュアルは積極的に改善していく必要があります。この流れを作る際にも大事なのは、企業が求めている文化を従業員たちに理解させることです。
接客力を上げる方法4:フィードバックを積極的に受け入れる
先ほど、顧客からのフィードバックを積極的に受け入れてマニュアルに反映させるという話をしました。さて、フィードバックを重要視するのは顧客からだけで良いのでしょうか?
良いはずがありません。顧客からのフィードバック以上に、従業員たちからのフィードバックを重要視するべきです。企業側から従業員たちに命令したり、努力や頑張りを求めるばかりでは、どんな改革も失敗します。従業員たちからの意見や提案も真摯に受け止める必要があるでしょう。彼らから挙がってきた改善点や課題をきちんと共有し、適切な対策を講じることが必要です。
従業員からのフィードバックのためにはコミュニケーションを
そのためには、従業員が自身の意見や提案を積極的に発信できる環境を整備し、コミュニケーションを促進することが求められます。管理者と従業員のコミュニケーションも重要ですし、従業員同士のコミュニケーションも重要です。
企業側が従業員たちの声を真摯に受け止める姿勢を見せれば、彼らの側でも店舗運営への参加意欲を持ち、自己実現や成長の機会を見出せるようになります。また、自分の意見や提案が尊重されて組織に採用されれば、自分の貢献を誇らしく感じてより熱心に働く従業員も少なくありません。離職率も減るでしょう。彼らの意見を採用することも、モチベーションの向上に繋がるのです。
接客力を上げる方法5:優れたリーダーを確立させる
従業員たちの中からリーダーを選び、そのリーダーを中心にしたトレーニングや指導を行うと、チームは結束しやすくなります。リーダー自身がモデルとなることで、他の従業員たちに良い影響を与えるため、チーム全体のパフォーマンスは向上しやすくなるのです。
リーダーには他の従業員たちとのコミュニケーションを大切にし、彼らのニーズや要望を理解しサポートすることが求められます。いわば大役ですから、何かしらの報酬が与えられるべきでしょう。優れたリーダーが確立されれば、経営者や管理者たちが接客力向上のために多くのリソースを割かなくて済むようにもなります。
店舗の接客力を上げるためのおすすめサービス
接客力を上げるために必要なもののひとつが、従業員たちへの教育です。そのために役立つサービスを紹介します。よかったら導入をご検討ください。
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接客力を上げるために:まとめ
接客力を上げるためのポイントを5つにまとめて紹介しました。経営者や店舗管理者はこれらの方法を継続的に実践し、従業員と協力して店舗の接客力を向上させる努力を惜しまないようにしてください。何よりも大事なのは継続させることです。
またこの記事で紹介したサービス導入の際に稟議書の提出が必要なら、以下の記事を参考にしてください。