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ストックオプション制度は効果ある?メリットと注意点をわかりやすく解説

経理・財務システム
経理・財務システム

近年、とくにIT業界ではストックオプション制度の導入が目立っています。この記事では、ストックオプション制度の基本概念、メリット、注意点、導入手順について詳しく解説し、その効果をわかりやすく解説します。

3分で理解できる:ストックオプション制度の基本

ストックオプションとは、従業員が将来的に一定の価格(行使価格)で自社株式を購入する権利のことです。

この権利は通常、一定の期間(行使期間)内に行使することができ、行使価格は通常、オプション付与時の株価に基づいて設定されます。ストックオプションの発行から行使までの流れは以下の通りです。

  1. 企業が従業員に対してストックオプションを付与する
  2. 付与されたオプションは一定の期間が経過した後に行使可能となり、従業員は行使価格で株式を購入できる
  3. 購入した株式は市場で売却することもでき、その時の株価次第では利益を得ることが可能

具体例

行使価格が1株あたり1,000円で、行使時の株価が1株あたり5,000円の場合、従業員は1株あたり4,000円の利益を得ることができます。

導入割合

ストックオプション制度の導入率は国や業界、企業の規模によって異なりますが、とくにIT業界やスタートアップ企業では、この制度が広く採用されています。

日本取引所グループの2021年の資料によると、東京証券取引所に上場していた企業の約31.7%がストックオプションを導入しています。

また、アメリカでは日本以上にストックオプション制度が非常に普及しており、とくにシリコンバレーのスタートアップ企業では一般的で、アメリカの上場企業の50%以上が何らかの形でストックオプション制度を導入しています。

ストックオプション制度と譲渡制限付株式(RS)との違い

ストックオプション制度と混同されやすい制度に、譲渡制限付株式(RS)というものがあります。両者の違いを簡単に紹介しましょう。

まず、ストックオプション制度とは、従業員が定められた価格(権利行使価額)で自社株を購入できる権利のことです。株価が上昇した際に、購入した株式を売却すると授業員は利益を得られるのは、すでに説明したとおりです。

ここで大事なのは、ストックオプション制度はあくまで従業員に権利を渡すだけなので、実際に株式購入する際は従業員がお金を払って購入する形になります。

譲渡制限付株式(RS)

一方、譲渡制限付株式(RS)は、実際にお金を払わずに株式を取得できます。ただし、譲渡制限期間に退職すると、取得していた株式は企業に没収されてしまいます。

ストックオプションは株式を購入する権利を与えるもの、RSは実際にお金を払わずに株式を取得できる制度と考えておくとわかりやすいです。

ストックオプション制度のメリット

ストックオプション制度の導入には従業員側、企業側と、それぞれにメリットがあります。わかりやすいように分けて紹介しましょう。

従業員側のメリット

  • 潜在的な高収入の可能性:株価が上昇した場合、従業員は行使価格との差額で大きな利益を得ることができる
  • モチベーションの向上:企業の株価が上昇すれば自身も利益を得られるため、企業の成功に対するモチベーションが高まる

企業側のメリット

  • 優秀な人材の確保と維持:とくにスタートアップ企業においては、優秀な人材を得るための強力なツールになる
  • 経済的な負担の軽減:初期のキャッシュアウトフローが少ないため、資金を効率的に利用できる

ストックオプション制度のリスク・導入する際の注意点

もちろんストックオプション制度にはリスクもあります。リスクに関しても従業員側でのリスク、企業側でのリスクと分けて紹介しましょう。

従業員側のリスク

  • 株価の変動リスク:株価が下落した場合は、オプションの価値が無くなる
  • 税金の負担:ストックオプションの行使には税金が発生する

ストックオプション制度を導入する際、企業は上記のリスクを従業員たちにきちんと説明する必要があります。

企業側のリスク

  • 過度な希薄化のリスク:既存の株主の持ち分が希薄化する可能性があるため、株主の反発を招くことがある
  • 経営陣による不適切な運用の可能性:不適切な運用をされてしまうと、企業の財務状況に悪影響を与える可能性がある
  • 従業員のモチベーション低下:株価が思うように上昇しない場合は、従業員の期待を裏切ることになり、彼らのモチベーションが低下する可能性がある

ストックオプション制度の導入手順

ストックオプション制度を導入する際、企業は以下の手順を踏むとスムーズな流れになります。

  1. 制度の設計
  2. 法令や規則の確認
  3. 従業員への説明

導入手順1:制度の設計

  • 行使価格と行使期間の設定:行使価格と行使期間は慎重に設定する必要がある。行使価格が高すぎると従業員のモチベーションが低下する可能性があり、逆に低すぎると企業にとって不利になる
  • 対象従業員の選定:ストックオプション付与の対象となる従業員を選定する。選定には企業の成長に寄与する可能性が高い人を含めることが重要

導入手順2:法令や規則の確認

  • 企業の法的義務と手続き:関連する法令や規制を遵守する必要があるため、基本的には専門家の助言を受けることが推奨される
  • 税務上の取り扱いと従業員のサポート:ストックオプションの行使には税金が関わるため、従業員に適切な税務アドバイスが提供できる環境を整える

導入手順3:従業員への説明

  • 従業員への制度の説明と教育:ストックオプション制度の内容を従業員にしっかりと説明し、理解を深めてもらう
  • 従業員の疑問や不安を解消:ストックオプション制度に関する従業員の疑問や不安に対応

ストックオプション導入のためのおすすめサービス

ストックオプション制度の導入は、外部サービスの力を借りるとよりスムーズです。ここでおすすめのサービスを紹介しますので、よかったらご検討ください。
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ストックオプション制度:まとめ

とくにIT業界におけるストックオプション制度は、引き続き重要な役割を果たすと考えられます。将来的には、より柔軟で多様な報酬制度と組み合わせた新しいストックオプション制度が登場する可能性もあるでしょう。

ただし、ストックオプション制度には多くのメリットがある一方で、注意点やリスクも存在するため、導入の際には十分な検討をする必要があります。とくに適切な制度設計と従業員へのサポートは、ストックオプションの効果を最大化する鍵となるので、強く意識してください。

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