近年、キャッシュレス決済が急速に普及し、その一環として非接触型の「タッチ決済」が注目を集めています。タッチ決済は、クレジットカードやスマートフォンを決済端末にかざすだけで支払いが完了する便利な仕組みです。
この記事ではタッチ決済の基本概要から、導入におけるメリットとデメリット、導入のポイントまでを詳しく解説します。
タッチ決済の概要を1分で理解!
タッチ決済は、クレジットカードやスマートフォン、スマートウォッチなどのモバイル端末を決済端末にかざすことで行われる非接触型の決済方式です。
この技術は、NFC(近距離無線通信)を活用して、決済時のカード情報を暗号化して安全にやり取りします。
とくに注目されているのは、決済のスピードと利便性です。従来の現金払いと比べて、タッチ決済ではレジでの会計時間を大幅に短縮できます。
また、コロナ禍以降、接触を避ける非接触型決済の需要が急増し、タッチ決済の導入を検討する企業が増えています。
代表的なタッチ決済
代表的なタッチ決済には以下のものがあります。
- Visa
- Mastercard Contactless
- JCB Contactless
- QUICPay(クイックペイ)
- iD
- Apple Pay
- Google Pay
- Suica(スイカ)
- PASMO(パスモ)
- WAON
タッチ決済とバーコード決済の違い
PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどのQRコード決済は、店舗側が表示するQRコードをユーザーが読み取ることで支払いを行うため、タッチ決済には含まれません。
タッチ決済は、一般的にカードやスマートフォンを端末に「かざす」ことで支払いが完了する仕組みを指します。どちらもキャッシュレス決済手段として便利ですが、技術的には異なる方式です。
(QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です)
タッチ決済導入:店舗側の6つのメリット
タッチ決済を導入する店舗側の代表的なメリットを6つ紹介します。
- 業務効率の向上
- スタッフの軽減負担
- 顧客満足度の向上
- 打ち間違えがなくなる
- セキュリティの強化
- 感染対策
タッチ決済の導入メリット1:業務効率の向上
現金での支払いでは、金額の受け渡しやお釣りの計算が必要です。一方、タッチ決済は端末にカードやスマートフォンをかざすだけで完了するため、会計の手間が省けます。
その結果、店舗のレジ待ち時間が短縮され、ピークタイムでの混雑の緩和が可能です。それぞれの短縮時間は数十秒程度かもしれません。しかし、積み重なることでかなり多くの時間を短縮できるでしょう。
タッチ決済の導入メリット2:スタッフの軽減負担
会計の手間が省けると従業員の業務負担も軽減されるため、接客や他の重要な業務により多くの時間を割くことができ、全体の業務効率が向上します。
タッチ決済の導入メリット3:顧客満足度の向上
顧客が急いでいる場合や、荷物が多く手がふさがっている時に、カードやスマートフォンを端末にかざすだけで簡単に支払いができるのは顧客にとっての大きなメリットです。
また、モバイル決済に対応しているため、スマートフォンで支払いができることも多くの顧客にとって利便性が高いと感じられます。
結果として、タッチ決済を導入することで顧客満足度が向上し、リピーターの獲得にもつながります。
タッチ決済の導入メリット4:打ち間違えがなくなる
決済をタッチで済ませることで、現金を取り扱う必要がなくなります。
現金を取り扱う店舗では多かれ少なかれ、預かった金額の入力ミスがあるため、このミスが皆無になるのは店舗側にとっても消費者側にとってもメリットがあると言えるでしょう。
タッチ決済の導入メリット5:セキュリティの強化
タッチ決済は、暗号化技術を用いてカード情報を安全に送信するため、現金の取り扱いや従来のカード決済と比べてセキュリティ面でも優れています。
カードを端末に差し込むことなく、かざすだけで決済が完了するため、物理的なカードスキミングのリスクもありません。
さらに、現金を扱う必要がないため、店舗内での現金盗難リスクも削減でき、安心して業務に専念することが可能です。
タッチ決済の導入メリット6:感染対策
新型コロナウイルスの影響は、まだ完全におさまったとは言えないでしょう。衛生面に敏感な消費者も少なくありません。
その点、タッチ決済は非接触で行われるため、店舗側も消費者も安心して取引を行うことができます。
タッチ決済導入:店舗側のデメリットはコスト
タッチ決済を導入するためには、対応する端末機器の購入やシステム設定が必要となります。
中小規模の店舗がタッチ決済を導入する場合、初期導入コストとして以下のような概算が考えられます。
- 初期費用(ハードウェア+導入手数料):50,000円~150,000円
- 月額費用(手数料+運用コスト):売上の2%~4% + 数千円~数万円の運用費用
コストの内訳
導入コストの内訳を簡単に紹介します。
端末の価格
まず、端末は購入しなければなりません。
- POS端末の購入費用:1台あたりおよそ30,000円~100,000円。
- 基本的な機能を持つPOS端末の場合は比較的安価ですが、複雑な決済機能や在庫管理システムと連携する高機能端末の場合、さらに高額になる可能性があります。
- 決済リーダー(NFC対応リーダー):およそ5,000円~50,000円。
- 既存のPOSシステムにNFCリーダーを追加する場合は、このリーダーの購入コストがかかります。
セットアップコスト
システム設定やインストールのコストもかかります。POSシステムやタッチ決済を提供するベンダーによって、セットアップ費用が異なります。
- セットアップ費用:0円~50,000円程度。
- 簡単なシステムでは初期設定費用が無料のものもありますが、大規模な導入やカスタマイズが必要な場合、手数料が発生します。
決済手数料および運用コスト
タッチ決済を導入すると、毎月の運用コストが発生します。主に以下の2種類のコストが含まれます。
- 決済手数料:タッチ決済を処理するための決済プロバイダーに支払う手数料です。取引ごとの金額に対して一定のパーセンテージ(通常2%~4%)が課されます。たとえば100,000円の売上があった場合、2%の手数料なら2,000円が支払われます。
- 月額サポート料金:一部のPOSシステムや決済システムでは、利用に伴う月額料金が必要です。これはシステムの保守、サポート、ソフトウェアアップデートなどに充てられ、月額数千円~数万円程度の費用が発生することがあります。
おすすめのタッチ決済端末
タッチ決済端末は数多くあります。そのため、それら全てを検証していくのはなかなか大変でしょう。この記事ではおすすめのタッチ決済端末を紹介しますので、導入を検討している方は参考にしてください。
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タッチ決済の導入:まとめ
タッチ決済の導入によって、業務効率の向上や顧客満足度の向上が期待できます。まだ対応されていないのであれば、是非この記事の内容を参考にしてください。