従業員たちのエンゲージメントが高まれば生産性の向上、離職率の低下、そして顧客満足度の向上につながり、企業の成長へと結びつくでしょう。
そのため、企業側で従業員エンゲージメントを高めるための施策については、年々注目度が増しています。本記事では、従業員エンゲージメントの向上に成功した企業の事例を通じて、具体的な施策とその効果を解説するので、是非参考にしてください。
従業員エンゲージメントを構成する3要素とは
はじめに、従業員エンゲージメントを構成している3つの要素を簡単に紹介します。
- 理解度：企業理念や方針を理解し、支持していること
- 帰属意識：自分が企業の一員であるという自覚
- 行動意欲：組織の成功のための自主的な行動
これらの3つの要素を従業員が持っていると、その従業員のエンゲージメントは高いと言えるのです。
従業員エンゲージメントの向上から得られる5つのメリット
続いて、従業員エンゲージメントが向上すると企業が得られる代表的なメリットを5つ紹介します。
- 生産性の向上
- 離職率の低下
- 顧客満足度の向上
- イノベーションの促進
- 組織文化の強化
従業員エンゲージメント向上から得られるメリット1：生産性の向上
エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して強い情熱を持っています。その結果、自発的に業務を改善したり、効率を上げるためのアイデアを出して実行したりするでしょう。組織全体の生産性が向上します。
従業員エンゲージメント向上から得られるメリット2：離職率の低下
従業員が自分の仕事や職場に満足している場合、長期間その会社で働き続ける可能性が高くなります。
企業は優秀な人材を確保し続けることができますし、人材不足に陥る可能性も低いため、新たに人材採用したりトレーニングをしたりするコストを削減することができます。
逆に離職率が高い企業では、常に人材採用やトレーニングのためのコストをかけ続けることになります。更に、いつまでも人が育ちません。
離職率が高い企業の方は、まず何よりも先に離職率を下げるための施策を打たなければならないでしょう。
従業員エンゲージメント向上から得られるメリット3：顧客満足度の向上
従業員エンゲージメントが高い企業では、従業員が顧客サービスに対しても積極的であり、顧客のニーズに迅速かつ効果的に対応します。すると、顧客との良好な関係を築きやすくなり、顧客満足度の向上にもつながりやすいです。顧客満足度が向上するとリピーターが増えやすくなるため、企業の収益が向上します。
従業員エンゲージメント向上から得られるメリット4：イノベーションの促進
エンゲージメントが高い従業員は、自らの仕事に対して積極的に関わるようになります。新しいアイデアを提案してくれるすることも増えるでしょう。
彼らのアイディアから新しい製品やサービスが生まれることも少なくありません。ヒット商品のアイディアを生み出した従業員には、なんらかの報酬を与えてあげると、その方のエンゲージメントは更に高まるでしょう。
従業員エンゲージメント向上から得られるメリット5：組織文化の強化
エンゲージメントが高い環境では、従業員同士の協力とチームワークが促進されやすくなります。共有の目標に向かって協力し合うことで、強固な組織文化が形成されるでしょう。
良好な組織文化は、新たな優秀な人材を引き寄せることにもつながりますし、チームワークの良い職場では自然と離職率が下がります。
従業員エンゲージメントの向上に成功した5つの事例
では、各業界で取り組まれた「従業員エンゲージメントの向上」を目的とした施策の中から代表的な成功事例を5つ紹介します。自社の従業員エンゲージメント向上のための参考にしてください。
成功事例1：Google
Googleでは、フラットな組織構造とオープンなコミュニケーションを推進しています。その象徴的な施策が「20%プロジェクト」です。
Google では、通常のプロジェクトに加えて、勤務時間の 20% を Google に最も役立つと思われる作業に費やすことを従業員に奨励しています。
この施策により、従業員の創造性が活発化し、GmailやGoogle Newsといったイノベーティブな製品が生まれました。このプロジェクトに対する従業員の満足度も高く、エンゲージメントの向上にもつながったようです。
ポイント
自主性の尊重：従業員が自身の興味に基づいてプロジェクトを選べることで、モチベーションが向上
成功事例2：Zappos
Zapposでは顧客サービスの品質向上を目指し、「ハピネス・ドリブン経営」という企業文化を構築しました。
私たちは、長期的かつ持続可能な方法で、顧客だけでなく、従業員、ベンダー、株主、地域社会にも同時に幸せをもたらすことができることを示すことで、世界を鼓舞することを目指しています。
現在、Zapposは高い顧客満足度を維持していますが、その背景には従業員の満足度の高さがあります。従業員の幸福感が仕事の質に直接影響を与え、顧客との良好な関係を築くことに成功したのです。
ポイント
企業文化の構築：価値観の共有と従業員の幸福を重視することで、従業員エンゲージメントを高める
成功事例3：Salesforce
Salesforceでは従業員エンゲージメント向上のために、1-1-1モデルを導入しています。
「1-1-1モデル」とは、製品の1%、株式の1%、就業時間の1%を活用してコミュニティに貢献するというシンプルな社会貢献モデルです。
この取り組みは、従業員の社会貢献活動を支援し、企業全体のCSR（企業の社会的責任）を強化するものです。
この施策により従業員のエンゲージメントは向上し、会社に対する誇りと忠誠心が強まりました。また、社会貢献活動を通じて、企業のブランドイメージも向上しました。
引用元：Salesforce「「1-1-1」という社会貢献モデル その社会的価値とマーケティング効果」
ポイント
社会貢献活動の支援：社会的責任を果たすことで、従業員のエンゲージメントと企業の評判が向上
成功事例4：Microsoft
Microsoftではリーダーシッププログラムとキャリア開発の支援に力を入れています。従業員が継続的にスキルアップできるように、多様なトレーニングプログラムを提供しています。
Microsoft では、キャリア、学習、能力開発は従業員の成長とウェルビーイングに不可欠です。
その結果、従業員のキャリア満足度が向上し、長期的なエンゲージメントが強化されました。とくに、リーダーシップ育成プログラムは、将来のリーダーを育てるための重要な施策として評価されています。
引用元：Microsoft「Career, learning & development」
ポイント
キャリア開発の重要性：従業員の成長を支援することで、エンゲージメントが高まる
成功事例5：HubSpot
HubSpotではフレキシブルな勤務形態とリモートワークを導入し、社内コミュニケーションの透明性を高めるためにさまざまなツールを活用しています。たとえば、SlackやZoomを使った定期的なコミュニケーションなどです。
HubSpotでは、間違いを犯し、そこから学ぶことを期待して、自分で決定を下す完全な自由を与えてくれます。
結果、従業員のワークライフバランスが改善され、エンゲージメントが向上しました。また、リモートワークによる働き方の柔軟性が高まったため、グローバルな人材の確保にも成功しています。
引用元：HubSpot「HubSpot’s Product Culture」
ポイント
フレキシブルな働き方：従業員の生活スタイルに合わせた働き方を提供することで、満足度とエンゲージメントが向上
従業員エンゲージメントを高めるためのおすすめサービス
自社内だけで従業員エンゲージメントを高めるのが難しい場合、外部サービスの力を借りる手もあります。ここでおすすめのサービスを紹介しますので、よかったらご検討ください。
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従業員エンゲージメントを高めた成功事例：まとめ
経営者や管理者にはこの記事で紹介したような、自社に適したエンゲージメント向上策の導入が求められます。成功事例にはいくつかの共通点があるので、その点に注目すると良いでしょう。
従業員の自主性を尊重し、企業文化を大切にすること、社会貢献を支援すること、キャリア開発を重視すること、そしてフレキシブルな働き方を提供することです。これらの施策を組み合わせることで、従業員エンゲージメントは高めやすくなります。是非、参考にしてください。
