コールセンター向けクラウド型CRMとセキュリティ面のチェックポイント

コールセンター・CX
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近年、企業はコールセンターでの効率化と柔軟性を向上させるために、コールセンター向けCRMによるクラウド化の傾向にあります。オンプレミス環境よりもコストを削減し、スケーラビリティやアクセスの利便性を向上させることができる一方で、クラウド化での顧客情報管理にはセキュリティ上のリスクも伴います。本記事では、顧客情報管理のクラウド化におけるメリットとセキュリティ面でのチェックポイントについて詳しく解説します。

顧客情報管理のクラウド化:どんなメリットがある?

顧客情報管理のクラウド化には、多くのメリットがあります。ここでは代表的な4つのメリットを紹介しましょう。

  • コスト削減:オンプレミスのシステムと比較して、クラウド化によりハードウェアや設備の保守・管理費用が削減される。さらに、クラウドサービスプロバイダーはインフラストラクチャーの更新やメンテナンスを行うため、企業の負担の軽減にもつながる
  • スケーラビリティの向上:ビジネスが成長するにつれて顧客情報の取り扱い量も増加するが、クラウド環境では、必要に応じてリソースを拡張することができるため、ビジネスの成長に柔軟に対応することが可能
  • アクセスの利便性:いつでもどこでもアクセスできる利便性があるため、リモートワークや出張中でも顧客情報にアクセスし、業務を効率化することが可能
  • 自動アップデート:セキュリティパッチや新機能のアップデートは、クラウドサービスプロバイダーによって自動的に行われるため、企業は常に最新の状態でサービスを利用できる

顧客情報管理をクラウド化するためにはセキュリティが重要!

基本となる3つのポイント

コールセンター向けのクラウド型CRMで行うのであれば、何よりもセキュリティに気を使わなければなりません。顧客管理情報の機密性と安全性を確保するための基本のポイントとして、以下の3つのポイントを挙げます。

  • データ暗号化
  • アクセス管理
  • セキュリティポリシーの整備

データ暗号化

クラウド上のデータは静的なデータだけでなく、転送中のデータも強力な暗号化技術によって保護される必要があります。データの暗号化によって不正アクセスからデータを保護し、機密情報の漏洩を防ぎます。

アクセス管理

クラウドサービスへのアクセスは、適切なユーザー認証手段やアクセス制御によって厳密に管理される必要があります。強固なアクセス管理を行うことで不正なアクセスからデータを守り、権限のないユーザーによる不正利用を防止します。

セキュリティポリシーの整備

企業がクラウドサービスを利用する際には適切なセキュリティポリシーを策定し、従業員に遵守させる必要があります。セキュリティ意識の向上や適切なセキュリティ対策の実施を促進しましょう。

より安全なセキュリティを確保するための3つのポイント

以下のチェックポイントを確実に実施することで、クラウド環境における顧客管理情報の安全性をより高めることができます。

  • 多要素認証(MFA)
  • 定期的なセキュリティ監査
  • バックアップとリカバリ計画の策定

多要素認証(MFA)

多要素認証(MFA)はクラウドサービスへのアクセスを強化するための有効な手段です。ユーザーがログインする際に複数の認証要素(たとえば、パスワードとモバイルデバイスによる確認コード)を要求することで、アカウントの不正アクセスを防ぎます。この多要素認証によって、パスワードが漏洩しても二重のセキュリティ層が保護を提供し、セキュリティリスクを大幅に低減します。

定期的なセキュリティ監査

定期的なセキュリティ監査は、クラウド環境の安全性を維持するために不可欠です。システムの脆弱性を発見し、潜在的なセキュリティリスクを評価するため、企業は迅速に対策を講じることができ、サイバー攻撃からデータを守ることができます。また、監査の結果はセキュリティポリシーの見直しや改善に役立ちます。

バックアップとリカバリ計画の策定

バックアップとリカバリ計画の策定は、データの損失や障害発生時における迅速な復旧を確保するために必要です。クラウド環境では定期的なデータバックアップが行われ、異なる地理的な場所にデータを保管することが推奨されます。そうすることで災害や障害が発生してもデータを迅速に復元し、ビジネスの継続性を維持することが可能になるのです。ただし、リカバリ計画にはデータ復旧手順や役割分担が明確に定められている必要があります。

失敗しないクラウドベンダーの選び方

クラウドベンダーの選定は、顧客情報管理の成功とセキュリティ確保において極めて重要です。適切なベンダーを選ぶためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 信頼性と実績:ベンダーの過去のパフォーマンスや市場での評判を調査し、他社事例や顧客のフィードバックを参考にする
  • セキュリティ認証の確認:信頼できるクラウドベンダーは、ISO/IEC 27001やSOC 2、HIPAAなどの業界標準のセキュリティ認証を取得している。また、データ保護規制(GDPR、CCPAなど)への準拠も確認すること
  • サービスレベル契約(SLA):ダウンタイムの許容範囲や問題発生時の対応時間、サポートの質などが明確に記載されていることが望ましい
  • サポート体制:問題が発生した場合に迅速かつ適切に対応できるサポート体制が整っているか確認
  • コスト面:初期費用や月額料金だけでなく、データ転送費用や追加サービスの料金なども総合的に評価し、コストパフォーマンスに優れたベンダーを選ぶ

顧客情報をクラウド化:おすすめのサービス

顧客情報をクラウド化するためのツールや外部サービスを厳選して紹介しますので、よかったらご検討ください。

※これらの製品情報の閲覧には「DXPOオンライン会員登録」が必要です。

バーチャレクス・コンサルティング(株)

コールセンターCRM インスピーリ

導入企業300社以上、あらゆる顧客情報を一元管理

コールセンターをはじめとした顧客接点における、様々な手段を通じてよせられる応対履歴を一元管理、顧客の声の蓄積・共有・活用を支援するCRM。カスタマイズやシステム連携にも柔軟に対応。

ヒューマンシーン(株)

List Cluster Maps

GoogleMap上に顧客情報を簡単にマッピング

顧客情報を地図上に視覚化!マーケティングなどの分布状況やルート営業・飛び込み営業等の訪問型営業にも最適です。情報を視覚化することで営業マンの行動量UPや分析に繋がります。

富士電機ITソリューション(株)

CSStream

お客様の声を企業価値向上につなげるCRMソリューション

お客様対応の流れを活性化させるコールセンター向けCRM「CSStream」。 企業内のお客様対応業務を一元管理し、迅速で質の高い対応を実現し、 顧客満足度向上をご支援いたします。

顧客情報管理:まとめ

クラウド化による顧客情報管理は、セキュリティ対策との両立が重要です。セキュリティリスクを最小限に抑えながらクラウド移行を成功させれば、効率的に顧客情報を管理できるようになるでしょう。この記事で紹介した内容を是非参考にして、理想的な管理システムを整えてください。

なお、クラウド化による顧客情報管理のためのサービスやシステムを導入する際に稟議書が必要でしたら、以下の記事を参考にしてください。

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